『エルデンリング』Steam版の同時接続数が100万に迫る。発売1週間経過もなお数字が伸び続ける異例の動き

『エルデンリング』Steam版の同時接続数がこの週末、95万3426を記録した。ピークタイムの最高記録を塗り替えており、発売から1週間が経過してもなお、その勢いを強めている。

エルデンリング』Steam版の同時接続数がこの週末、95万3426を記録した(SteamDB)。ピークタイムの最高記録を塗り替えており、発売から1週間が経過してもなお、その勢いを強めている。

『エルデンリング』はフロム・ソフトウェアが贈る新作アクションRPG。フロム・ソフトウェアの過去作である『ダークソウル』シリーズなどのゲームプレイを受け継ぎつつも、舞台はオープンなフィールドへと移行。探索や戦闘などに新たな要素を盛り込み、壮大な世界を構築する意欲作だ。


本作は、前評判や期待値の高さもあってか、発売直後から売上好調が報告されていた。たとえばGSD(ヨーロッパのゲーム売上集計機関)による2月26日付のイギリスチャート(パッケージ/デジタル版ともに含む)では、『エルデンリング』は『Call of Duty:Vanguard』以降で最高のローンチを記録したという(GamesIndustry.biz)。『Call of Duty』と『FIFA』シリーズを除いたゲームとしては、2018年の『レッド・デッド・リデンプション2』以来最高のローンチになっているとのこと。また国内のパッケージ版についても好調が報告されている。2月27日付けのファミ通週販チャートでは、『エルデンリング』はPS4版が18万8490本、PS5版が9万17本を記録。PS版だけで約28万本を記録しており、国内外で好調が伝えられている。

Steamでも同様に注目を集めており、同作の発売1時間後には同時接続数74万3562を記録していた。興味深いのは、発売を経過しても数字が伸び続けている点。同時接続数は、ゲームが発売されてから落ちていくことが一般的だ。マルチプレイが中心のゲームであれば、その数字が伸びるケースもあるが、シングルプレイがメインのゲームは、発売直後がピークでその数字が落ちるのがほとんどである。一方で『エルデンリング』はというと、数字が落ちるどころか伸びている。同作にはマルチプレイ要素は存在するものの、基本的にはシングルプレイがメインのゲーム。異例の数字推移といえる。


数字が伸びている理由としては、まず本作のボリュームの大きさが考えられる。本作はとにかくコンテンツが膨大である。クリア時間集積サイトHowLongToBeatによると、メインストーリーを追っただけでのクリア時間平均は43時間。とはいえ、本作は難易度が高く、本筋のみを追い続ける遊び方では、クリアは難しい。ゲームとしても寄り道をなかば推奨しているところもある。寄り道などをしたプレイヤーの平均クリア時間は70時間。遊び方によってはさらにプレイ時間は伸びる。

また長時間プレイしていても新たな発見に遭遇するだろう。遊んでいてもなかなか終わらない、しかも新たな発見に満ちているというのは、プレイヤー数が落ちない最たる理由といえる。そして、ゲームの自由度の高さもまた人気の理由になりそうだ。本作は攻略順や攻略ルートはプレイヤーに委ねられており、それぞれのプレイヤーがそれぞれ異なるストーリーを体験することになる。

さらに本作はTwitchでも熱心に実況されている。3月6日10時時点で、Twitchでもっとも視聴されているゲームとなっている(TwitchTracker)。前述のコンテンツの膨大さや自由度の高さ、そして難易度の高さから、見ているだけでなく自分で遊びたくなる設計となっており、実況視聴経由からの購入も多そうである。

そのほか本作は、メディアによるローンチ週の記事数がここ数年でダントツに多いゲームであることも報告されている(ICO)。自由度の高さに加え、ゲーム中にははっきり語られない要素や、隠しルートなども多いからか、攻略系の記事も国内外で非常に多い。いずれにせよ、『エルデンリング』はさまざまな観点から見るに、ユーザー・インフルエンサー・メディアにとって話題にしやすいゲームだといえる。そうしたクチコミなどが数字を伸ばし続けているのだろう。

なおSteam版についてはローンチ時には諸問題が報告されていたが、改善が進められている。発売後は「賛否両論」であったユーザーレビューも、現在では16万7000件の投稿が寄せられ「非常に好評」。対応の速さにより、評価も持ち直しつつある。すでにSteam歴代同時接続数6位に位置しているが、ここからさらに数字を伸ばし、100万の大台を突破するのだろうか。






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Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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