異形の天使と戦うRPG『柘榴』クラウドファンディングが開催中。貯金を切り崩してきたが、グラフィック面を強化するため

国内のインディーゲーム制作団体密造ポメラニアンは2月26日、『柘榴』のクラウドファンディングキャンペーンを開始した。『柘榴』は、横スクロール型のRPGである。

国内のインディーゲーム制作団体密造ポメラニアンは2月26日、『柘榴』のクラウドファンディングキャンペーンを開始した。キャンペーンは、CAMPFIREにて4月5日頃まで開催予定。貯金を切り崩して素材を発注してきたが、クオリティアップのため更に費用が必要になったため、クラウドファンディングで開発資金を募ることにしたそうだ。また、本作の対応プラットフォームはPC(Steam)。2022年12月末にリリース予定とされている。
 

 
『柘榴』は、葬儀屋として異形の天使たちを倒す、横スクロール型のRPGである。本作の舞台は、隔離された近未来の新宿だ。数十年前、新宿で突如人間が異形化し、怪物になる事件が発生した。事態に対し、日本政府は新宿の囲い込みを実施。同時期には、怪物を「天使」と呼び、救済を求める宗教団体も現れたという。

現在の新宿では、暴力団傘下の葬儀屋「友愛社」で、命令のまま天使たちを倒す青年がいた。プレイヤーは、友愛社の社員である葦原彌太郎(あしはらやたろう)として、葬儀屋の仕事を遂行。異形の天使が蔓延る新宿を舞台に、彼らと対峙する少年少女の姿が描かれる。
 

 
彌太郎が活動する新宿には、天使や敵対組織の構成員など、さまざまな敵が存在。探索中、敵と接触した際には戦闘が発生する。本作の戦闘は、位置の概念を取り入れた、リアルタイム制のバトルだ。戦闘中、味方キャラクターは、方向キーに対応した4マスのいずれかに配置される。行動ゲージが溜まると、移動や攻撃が可能。攻撃時には、入力によって3回まで連撃ができ、連撃回数によって行動ゲージが溜まるまでの時間が増加。攻撃によって敵を倒すことが目的となる。

本作の戦闘の特徴は、敵の攻撃に対する防御要素だろう。本作では、敵の攻撃時にマスの色が変化し、事前に攻撃してくる場所がわかるようになっている。敵攻撃に対して、行動ゲージを使ってキャラクターを移動させることで、攻撃を回避できるわけだ。防御関連の要素としては、行動ゲージが溜まっている状態で敵の攻撃を受けると、ダメージを軽減できるガード。敵の攻撃にあわせてタイミングよく攻撃することで、成功すると行動ゲージを消費せず敵の攻撃を無効化するディレクトが存在している。味方の移動やガードには、行動ゲージが溜まっている必要があるため、攻めるタイミングや行動ゲージの管理が重要になりそうだ。

なお体験版プレイ動画によると、オプションにゲームスピードの調整が導入予定。素早い操作が苦手でも、遊べるようになるという。そのほか要素としては、6人以上のキャラクターによる3人パーティーの編成や、メインシナリオのフルボイス対応、スキルツリーによるキャラクターの強化などが、取り入れられている。
 

 
本作を開発しているのは、国内のインディーゲーム制作団体密造ポメラニアンである。クラウドファンディングのキャンペーンページによると、本作の企画者taro氏は、7年間ゲーム会社に勤務していた人物だ。本作『柘榴』の制作に専念するため、ゲーム会社を退職。必要なイラスト素材の発注時には、貯金を切り崩して費用を捻出し、友人のプログラマー2名と共に、制作を進めてきた。しかしグラフィック面の強化のため、更なる開発費が必要になり、今回のクラウドファンディングが実施されたわけだ。目標金額は50万円。集まった資金は、フィールドマップの背景イラストや、キャラクター/エネミーのモーション制作のために、使用されるそうだ。また本作のイラストは、イラストレーターの冬城ゆう氏が担当している。

柘榴』は、PC(Steam)向けに2022年12月末リリースを目指して開発中。公式Twitterのツイートによると、販売価格は2000円程度。想定プレイ時間は30時間ほどを予定しているという。

またクラウドファンディングキャンペーンは、4月5日頃まで開催予定。記事執筆時点で16万8000円ほどの開発資金が集まっているようだ。





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Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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