Epic Gamesは3月3日、楽曲ストリーミング/販売プラットフォームBandcampを買収したと発表した。両社が公式サイトにて声明を出している。
Bandcampは、2008年に楽曲ダウンロード販売を開始した楽曲配信プラットフォームだ。同サイトはインディーアーティストを中心にサービスを提供しており、メジャーアーティストでなくとも簡単に楽曲を無料/有料で配信できる仕組みだ。また、アーティストを優先する姿勢や低ロイヤリティも掲げており、インディーアーティストやレーベルへの手軽な活動の場の提供や、高い利益還元率を魅力としている。
国内では、見下ろし視点アクション『RUINER』に楽曲を提供した著名アーティストの平沢進氏が、Bandcampページを開設している。また、『Terraria』『マインクラフト』『Hades』『UNDERTALE』などのほか、多数のゲーム作品のサウンドトラックも販売されている。著名アーティストも利用するほか、ゲーム楽曲配信とも親和性の高いプラットフォームといえる。
Bandcampの発表によれば、同サイトは買収後も引き続き独立したプラットフォームとして運営されていくとのこと。また、Bandcampでの収益モデルではアーティストが平均して売上の82%を得ているとして、このアーティスト優先のモデルを守っていく方針を伝えた。また、アルバムページやモバイル向けアプリ、検索・ディスカバリー機能など実装済みの基本機能のほか、レコード盤のプレスサービスやライブストリーミングなどの新しい戦略まで、Epic Gamesと協力の上でさらなる開発・発展を推し進めていくという。
また、今回Epic Gamesの買収に合意した理由としてBandcamp側は、ファンとアーティストを繋げコミュニティを育むことを目標とするBandcampの理念と、Epic Gamesの方針が一致したためとしている。Epic Games側についても、「フェアでオープンなプラットフォームはクリエイター経済の未来に必要不可欠」として、作り手に利益を還元していくプラットフォーム作りの方針が、Bandcampと一致しているとコメント。音楽に限らないEpic Gamesの幅広いマーケットプレイス構築に向けて、Bandcampが重要な役割を果たすだろうとしている。
Epic Gamesは、昨年11月にも老舗音楽ゲームスタジオHarmonixを買収。同社が開発・運営する『フォートナイト』における音楽コンテンツ拡充への動きを見せている(関連記事)。今回のBandcamp買収についても、ゲームを通じたインタラクティブな音楽体験の強化に繋がっていくのかもしれない。