バンダイナムコエンターテインメント、4月から基本給を月平均5万円引き上げ。全社員対象
バンダイナムコエンターテインメントは2月28日、同社社員の年収における基本給の比率を高めるとし、全社員の基本給を月平均5万円引き上げる新報酬制度を、今年4月より導入すると発表した。また初任給についても、従来の23.2万円から29万円へと引き上げるとのこと。
このベースアップの背景として同社は、社員の収入安定による働きやすさ向上を目的にしていると述べる。さらに、この4月から導入する新中期ビジョンの実現にあたっては、さまざまな分野における多様な人材の活躍推進が必要不可欠であるとしている。
バンダイナムコグループでは、「Connect with Fans」という新たな中期ビジョンを掲げている。IP(キャラクター等の知的財産)を軸に世界中のファンと繋がることを目指し、新しい仕組みの構築に着手するという。そのIP軸戦略のひとつとしては、「IPごとのメタバース」を開発することを明らかに(関連記事)。合わせて3年で400億円の投資を計画し、IPメタバースのデータ基盤の構築などに対しては、そのうち150億円をあてる方針も示している。
IPメタバースの第1弾は、「ガンダムのメタバース」になることが発表されている。ガンダムの世界観をもとにした宇宙コロニーを舞台とし、ゲームやアニメ、ガンプラ、eスポーツ、その他イベントなど、ガンダムのあらゆる情報が集約。ユーザーは自らのアバターを通じて、そうした情報にアクセスできるという。コンテンツ開発においては、現実世界と仮想世界が融合した、メタバースならではのサービスを提供することを目指しているとのこと。詳細については、今後開催されるガンダムカンファレンスにて発表される。
バンダイナムコエンターテインメントはゲーム開発・運営をおこなっていることもあり、IPメタバース構築およびコンテンツ開発においては、中心的な役割を担うものとみられる。近年は、あらゆる業界の企業がメタバース関連事業への参入を表明している。今回発表された基本給アップは、そうした状況において、優秀な人材を確保する目的もあるのかもしれない。
なおバンダイナムコグループでは、バンダイやBANDAI SPIRITSにおいても、今年の4月から新報酬制度を導入することが発表されている。全社員を対象に月額給与を平均27%アップし、初任給は30%アップの29万円にするとのこと。社員のモチベーション向上を図り、組織の活性化を目指すと説明されている。
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