Electronic Arts(以下、EA)は2月26日、『Battlefield 2042』にて、今週のウィークリーミッションを停止することを発表した。同ミッションでは、作中のロシア軍戦闘ヘリ用のスキンが手に入った。ロシア軍によるウクライナ侵攻を受けて、情勢に配慮する措置とみられる。
『Battlefield 2042』は、マルチプレイFPS『Battlefield(バトルフィールド)』シリーズの最新作だ。最大128人(PS4/Xbox Oneは最大64人)での大規模対戦を特徴としている。本作の設定では、プレイヤーがアメリカ軍かロシア軍どちらかの陣営のもとで戦闘を繰り広げる。また、実在銃器や戦闘車両の未来の姿も描き出されている。
本作には毎週のゲーム内目標をクリアしてスキンなどの報酬を入手する、ウィークリーミッションの仕組みがある。そして、今週の報酬として用意されていたのが、ロシア軍の戦闘ヘリ「Mi-240 スーパハインド」用のスキン「死神」だ。しかしながら、EAはウィークリーミッションそのものを一時停止。次週から再開すると告知した。また、死神スキンについては今後もアンロックが不可能となるとのこと。ただ、すでに同スキンを入手しているユーザーに影響はなく、今後も利用できるようだ。
今回の停止措置について、EAは「時事問題を踏まえて」と告げている。つまり、2月24日未明より始まった、ロシア軍によるウクライナ侵攻を受けた配慮のようだ。まず本作は戦争にまつわる作品である。さらに、死神スキンの英語名は「Grin Reaper(笑う死神)」ロシア語名は「Дружелюбная смерть(友好的な死)」との名称だ。戦火による死傷者も報道されており、ロシアとウクライナの動向に国際的な注目と懸念が集められるなか、こうした名称やデザインのスキンを提供するのは不適切だと判断したのだろう。
ロシア軍によるウクライナ侵攻については、ゲーム業界でも欧州デベロッパーを中心に懸念や反対の声が上がっている。2月25日には、ポーランドに拠点をおくデベロッパーの11 bit studiosが、同スタジオのゲーム『This War of Mine』における7日間の売り上げをウクライナ赤十字へ寄付すると発表。ほかにも、ウクライナ当地のスタジオが反戦のメッセージを表明するなど、業界内にも開戦の影響は波及している(関連記事)。
題材とする国家が開戦したとなれば、ゲーム内の表現も影響を避けられない。ロシアによる侵攻が現実となってしまったことにより、今後もロシアおよびウクライナを題材にした作品へ、影響が出る可能性は考えられそうだ。しかし何より、ゲームに携わる開発者/スタッフを含め、現地の人々の安全を強く祈る。