スクウェア・エニックスの『ファイナルファンタジーVI』が、ピクセルリマスター版としてPC(Steam)およびiOS/Android向けに、2月24日に配信される。本作について同社は2月13日、海外公式Twitterアカウントを通じて、ゲームプレイの一部を披露。オリジナル版から変わらない要素のひとつとして紹介されたが、ファンからはあまり好意的に受け止められていないようだ。
『ファイナルファンタジーVI』は、オリジナル版はスーパーファミコン向けに1994年に発売。機械文明が発達した世界にて、主人公たちは世界征服を企む悪に立ち向かう。本作では、魔法は遠い昔の大戦によって失われたものとされており、魔石を使って魔法や召喚などを習得するシステムが特徴。シリーズのなかでも人気の高い作品のひとつだ。
今回リリースされるピクセルリマスター版は、オリジナル版をベースに新たに開発されたリマスター作品である。ドット絵グラフィックは高解像度対応でリニューアルし、楽曲は植松伸夫氏の完全監修のもとアレンジされる。また、バランス調整やUIの改良、オートバトル搭載など、遊びやすくする工夫も取り入れられ、モンスター図鑑やイラストギャラリーなどの要素も追加されるとのこと(関連記事)。
単純なHD移植ではなく、現代のプレイヤーに向けてさまざまなアレンジがおこなわれる。そうしたなかでも、当時のまま変わらない要素も存在するとして、スクウェア・エニックスは上のツイートを投稿した。線路上を走りながら戦う、魔列車とのバトルシーンだ。
ツイートにて同社は、「もちろん、列車にスープレックスを決めることができます」とコメント。動画では、マッシュが魔列車に対しメテオストライクを決めている。メテオストライクは、敵を掴んで上空にジャンプし、地面に叩きつける必殺技だ。巨大な機関車までも持ち上げてしまうマッシュの豪快さは、オリジナル版でも注目されたシーンであり、ピクセルリマスター版においても健在だとアピールされたかたちである。
ただ、実際にはオリジナル版とは異なる点がある。メテオストライクによって地面に叩きつけられる際には、敵キャラクターは上下逆さまにひっくり返って落下する。これは魔列車も同様であったが、今回公開された映像では逆さまになっていないのだ。返信欄では、ファンからの指摘が相次ぐこととなった。なお、ほかの敵にメテオストライクをかけた場合はどうなっているのかは、現時点では定かではない。
些細な違いかもしれないが、魔列車にメテオストライクを決めるシーンはあまりに印象的なため、海外ではミーム化してファンアートなどが制作されるほど。そのシーンが正しく再現されていないことに、ファンは不満のようだ。
また同じ動画においては、フォントについての指摘も多くみられる。というのも、ピクセルリマスター化されたこれまでの『ファイナルファンタジー』作品においては、海外版の英語フォントの字幅が狭く、さらに文字が詰まったスタイルとなっており、読みにくいと不評だった(関連記事)。それにもかかわらず、『ファイナルファンタジーVI』においても依然改善がみられないと指摘されており、ピクセルリマスター版開発に対するスクウェア・エニックスの姿勢に疑問符を投げかけるようなコメントもみられる。
『ファイナルファンタジーVI』のピクセルリマスター版は、PC(Steam)およびiOS/Android向けに2月24日配信予定だ。もうリリースまで間もないが、こうした指摘を受けて改善がおこなわれるのかどうか注目されそうだ。