オンラインRPG『LOST ARK』がSteamにてピーク同時接続者数132万人を記録。同プラットフォーム史上2位の快挙

オンラインARPG『ロストアーク(LOST ARK)』が2月12日、Steamにて同プラットフォーム歴代2位となるピーク同時接続者数を打ち立てた。記録的快挙の背景には、インフルエンサーの影響や昨今のMMO作品における趨勢があったと見られる。

オンラインARPG『ロストアーク(LOST ARK)』が2月12日、Steamにて同プラットフォーム歴代2位となるピーク同時接続者数を打ち立てた。『Cyberpunk 2077』や『Counter-Strike: Global Offensive』などのヒット作を超える記録的快挙の背景には、インフルエンサーの影響や昨今のMMO作品における趨勢があったと見られる。

『LOST ARK』は、韓国のゲーム開発会社Smilegateが手がける基本プレイ無料のオンラインアクションRPGだ。本作は3Dの見下ろし視点となっており、キーボード/マウスでのプレイでは、マウスで基本攻撃と移動を、キーボードでスキルやアイテムを使用をするシステムとなっている。ゲームプレイとしては、群がる敵たちバタバタとなぎ倒す爽快感あるアクションが持ち味。アクションRPGの操作感を踏襲している。一方で、ギルドシステムやソーシャル要素のほか、少額課金による各種アイテム販売など、MMO作品でしばしば見られる仕組みも盛り込んでいる。いわば、アクションRPGとMMOのハイブリッドのようなタイトルだ。


本作は韓国では2018年よりサービスインしており、日本国内向けには2020年9月23日よりサービス開始。国内向け展開についてはゲームオンが担当している。そして先ごろAmazon Gamesのパブリッシングにより、Steamにて欧米向けにサービスが開始されたのだ。今月2月8日からは、有料の「Founders Pack」購入者向けにSteamにて先行プレイ配信を展開。正式サービス開始前から50万人を超えるプレイヤーを集める盛況を見せていた。そして2月11日には正式サービスインし、翌日12日には132万5305人のSteam同時接続者数を叩き出したのだ。この数字はSteamでも歴代2位となる快挙だ。なお、1位は『PUBG: BATTLEGROUNDS』の約325万人で、3位は『Counter-Strike: Global Offensive』の約130万人となっている(SteamDB)。

なぜ、これほどまでに『LOST ARK』に人気が集中したのかは定かではない。しかし、本作の人口爆発に関係が深いと考えられる要素はいくつかある。まずは、ストリーマーなどインフルエンサーによる紹介だ。なかでも目立つのは、ストリーマーであるAsmongold氏の活動である。同氏は先行プレイ配信開始時より、自身のTwitchチャンネルで本作を実況プレイ。連日ピーク時には10万人以上の視聴者をあつめ、2月11日に至っては最大42万人が同氏の『LOST ARK』プレイを視聴している(SullyGnome)。ほかにも多くの人気ストリーマーなどが同作プレイで視聴者を集めているものの、Asmongold氏が突出した人気を見せているのだ。

そして、同氏がオンラインRPGにプレイヤーを呼び込んだと見られる事例は過去にもあった。『FINAL FANTASY XIV』のケースである。Asmongold氏は2021年7月に、かつて同氏が主戦場としていた『World of Warcraft』の配信を離れ、『FINAL FANTASY XIV』のプレイ実況を開始。初プレイ配信は269万人以上の視聴者を集めた(関連記事)。関連性は定かでないものの、同時期を境に『FINAL FANTASY XIV』のプレイヤー数は激増していた。今回の『LOST ARK』人気爆発にも、同氏の影響が感じられる。


そして、浮動しているMMOファンが一気に『LOST ARK』に流れ込んだ可能性も考えられる。まず、『World of Warcraft』については、前述のAsmongold氏を含め多くのプレイヤーが、アップデート内容などに不満をもっていた背景がある。さらには、開発元であるBlizzardがセクハラ問題などで糾弾されるに至り、その支持率は下がる一方だった。つまり、『World of Warcraft』から離れて別のゲームを探すプレイヤーが多数存在していたと見られるのだ。

ほかにも、『LOST ARK』と同じくAmazon Gamesが運営するMMORPG『New World』の動向も影響していそうだ。同作は、昨年9月のリリース直後には約91万人のSteam同時接続者数を集め、大ヒットを記録していた。しかしながら、その後数か月間でプレイヤー数は減少。今月に入ってからは日間最大プレイヤー数が5万人前後で推移している(SteamDB)。以上を総合して考えると、『World of Warcraft』や『New World』から離脱した、多数のさまよえる欧米圏のMMOファンたちが、インフルエンサーの手によって新作『LOST ARK』に導かれた可能性は高いだろう。

なお、Steam版『Lost Ark』は現在日本国内からは利用できない。国内向けには、ゲームオンが同社のプラットフォームPmangにてPC向けに配信中だ。記録的ヒット作がどのような内容なのか、気になる方は触れてみてほしい。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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