お伽噺ADV続編『The Wolf Among Us 2』2023年発売へ。童話キャラたちの骨太ハードボイルドドラマがふたたび

 

Telltale Gamesは2月10日、『The Wolf Among Us 2』初の公式トレイラーおよび、発売時期と対応プラットフォームを発表した。本作は2023年、PC(Epic Gamesストア)/PS5/PS4/Xbox One/Xbox Series X|S向けにリリース予定。発表から約5年、開発スタジオ閉鎖など紆余曲折を経て、再び表舞台に出たかたちだ。

『The Wolf Among Us 2』は、2013年にリリースされたハードボイルドお伽噺ADV『The Wolf Among Us』の新作。本作はアメリカンコミック「Fables」の世界観をベースとしている。舞台となるのは、お伽噺の住人たちが住まうニューヨークのとある町、Fabletownだ。魔法の力により普通の人間の目から隠されているこの町には、お伽噺の登場人物たちが生活している。例としては「白雪姫」その人のほか、「人魚姫」や「美女と野獣」「3匹のこぶた」など著名なお伽噺や伝承のキャラクターたちが実際に息づいているのだ。

とはいえ、本作は子供向けの作品ではない。描かれるのは、愛憎やバイオレンス入り交じるハードボイルドなドラマだ。本作の主人公は、数々のお伽噺で牙や爪を振るう「狼男」のBigby Wolfだ。彼はFabletownにて、平和を守る保安官を務めている。そして、Fabletownの治安はお伽噺のように平和ではない。Bigbyは頭脳と鉄の意志、そして時に抑えきれぬ狼男の暴力性を解き放ち、事件の謎を追うのだ。前作『The Wolf Among Us』では、とある殺人を発端として、複雑な人間関係やパワーゲームが絡み合うスリリングな物語が展開された。「お伽噺のキャラ」との設定を活かした骨太なドラマが、本作の大きな魅力だ。


今回公開された『The Wolf Among Us 2』トレイラーでは、主人公のBigbyのほか、新登場キャラの姿も明かされた。テレビを眺める赤毛の女性をよそに、ブリキの大男とカカシがBigbyと大立ち回りを演じている。「臆病なライオン」は見当たらないものの、おそらく童話「オズの魔法使い」の一行だろう。また、グラフィック面でも、Telltale Games作品で恒例のトゥーンシェーディング描画をそのままに、過去作よりも高精細になっている印象だ。


そして『The Wolf Among Us 2』については、その発売が危ぶまれる一幕もあった。というのも、2017年のタイトル発表の翌年、開発元のTelltale Gamesはスタジオの閉鎖を発表。ほぼすべてのプロジェクトを停止すると伝えていたのだ。同スタジオはADVゲーム版『The Walking Dead』シリーズや、『Borderlands』のスピンオフ作品『Tales from the Borderlands』などで高い評価を得ていた。そして本作『The Wolf Among Us 2』などの新作についても既に開発が告知されており、ファンたちは突然続編が打ち切られた悲しみに暮れたのだった。

しかし、Telltale Gamesは再起した。2019年にかけて米企業LCG EntertainmentがTelltale GamesのブランドやIPなどを買収。新生Telltale Gamesが発足したのだった。また、本作の開発には、旧Telltale Gamesの開発者などが集い設立したAdHoc Studioも参加している。本作がこうして正式に表舞台に現れたのは、一連の騒動を見守ったファンにとっては感無量の出来事だろう。

『The Wolf Among Us 2』は2023年、PC(Epic Gamesストア)/PS5/PS4/Xbox One/Xbox Series X|S向けにリリース予定だ。