『Battlefield 2042』運営スタッフが“Redditで返信しない理由”を明かし議論を呼ぶ 。荒れるコミュニティとの付き合い方

『Battlefield 2042』に携わるコミュニティマネージャーが、海外掲示板Redditの投稿には返信しない方針を表明し物議を醸している。問題山積で荒れ模様の本作コミュニティに、またもや波紋が広がっているようだ。

『Battlefield 2042』は、マルチプレイFPS『Battlefield（バトルフィールド）』シリーズの最新作だ。最大128人（PS4/Xbox Oneは最大64人）での大規模対戦を特徴としている。本作は昨年11月19日のリリース直後より、不具合の多さやパフォーマンス問題など、多岐にわたる問題点への指摘がユーザーから続出。開発側もアップデートを重ねているものの、SteamユーザーレビューやSNS上では、作品へ多くの否定的意見が投じられ続けている。

また、『Battlefield 2042』開発側の発言が波紋を呼ぶ一幕もあった。今年初めにはEAスタッフが、「ホリデーには開発チームにも休息が必要だ」とする旨の意見を自身のTwitterに投稿。一連の投稿のなかでファンに対し「休み中にも対応を迫るのは残酷すぎる期待だ」と告げ、反発を呼んだ一幕があった。また、海外掲示板Redditの本作コミュニティ/r/battlefield2042も荒れ模様を濃くし、同掲示板モデレーターチームが同コミュニティ一時閉鎖も視野に入れた声明を出すに至った（関連記事）。
　

　
そして今回、またも開発側スタッフの発言が物議を醸すこととなってしまったようだ。本作にてグローバルコミュニティマネージャーを務めるAdam Freeman氏が、自身のTwitterアカウントにて「Redditの投稿には返信しない」との旨を伝えたのだ。また同氏は、一連のツイートにて方針の詳細と意図について説明している。

発端となったのは『Battlefield V』デザインディレクターなどを務めたLinus Josephson氏によるツイートだ。まず、同氏はファンからの『Battlefield 2042』に関するフィードバックについて「『Battlefield 2042』には携わっていないため、送り先が違う」とコメントした。同作のシーズンディレクターには同氏の名前が挙がっているものの、少なくとも現在は同作に関わる立場にはないということだろう。そして、フィードバックの送り先として上述のFreeman氏のTwitterアカウントを紹介している。

続いて、ファンがJosephson氏へのリプライとして「TwitterでもRedditでも、コミュニティマネージャーは沈黙している」とするコメントを投稿。どう連絡を取ればいいのか、コミュニティマネージャーは一体なにをしているのかとの質問を投げかけた。そこに、コミュニティマネージャーたるFreeman氏が登場したのだ。同氏はまず、連絡を取りたいのなら直接Twitterで話しかけてくれればよいと述べ、何か混乱を招いたのならいつでも説明をするとの意思を示した。続けて同氏は、公式に発表されていない事柄については明かせないと念を押している。
　

　
そして、物議を醸す記述が出たのは次のツイートだった。Freeman氏はRedditにて沈黙を保っている点について認め、「（Redditが）建設的な環境であると装うことに価値はない」と発言したのだ。さらに同氏は、同コミュニティでスタッフへの殺害予告などが発生したと示唆し、「チームが中傷や罵倒を受けて当然」との考え方に疑問を示している。

しかしFreeman氏は、同コミュニティにおけるフィードバックはしっかり読んでいると伝えている。また、どのような性質のコミュニティであろうとも、そこに寄せられた意見には一定の示唆があるとの旨の見解も示した。つまり同氏は、現状の/r/battlefield2042の状況を鑑みて、開発側としての返信は避けるものの、投じられた意見についてはきちんと受け止めると述べているのだ。Freeman氏は後に、Redditの別の本作関連コミュニティにも一連の方針を伝える投稿をしており、フィードバックは歓迎するとの旨をコメントしている。
　

　　
一方で、今回のFreeman氏の発言には/r/battlefield2042ユーザーたちからの反発も寄せられているようだ。同コミュニティでは、「返信をしないから、反発がエスカレートするのだ」との論調も色濃い。また、同氏を揶揄するコメントも散見される荒れ模様となっている。『Battlefield 2042』については、EA側も「期待に沿う結果を出せなかった」と公式に認める状態であり、シーズン延期などのスケジュール遅延も発生。消費者側による批判もやむを得ない面はある（関連記事）。

しかしながら、Freeman氏が伝えたのは「現在の荒れ模様のコミュニティでは、建設的な対話はできない」として返信のみを差し控えるとの対応だ。また、コミュニティとの対話は重要なものの、そのチャンネルを公式サイトにするか、Twitterにするかなどは企業側の選択でもある。そうした中で、ハラスメントや中傷のリスクが高い場でのコメントを避けるとの判断は、理に適っているともいえる。また、開発側がいくら言葉を尽くしたところで、アップデートなどを通じて改善が示されなければ、コミュニティの批判は止むことはないだろう。開発元EA/DICEの今後の対応こそが、本作の未来を左右する鍵となるはずだ。

『Battlefield 2042』は、PC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに現在発売中だ。