『ポケモン レジェンズ アルセウス』にて「スーパー斜面登り」現象が複数報告される。足腰激強系調査団員

 

『ポケモン レジェンズ アルセウス』にて、崖をスイスイと登れてしまう現象が報告されている。本来は滑り落ちてしまう急峻な斜面を、主人公が異常な足腰の強さで登ってしまうのだ。ほかにも、主人公が高速でスライドするように移動するなど、スピードランにも活かせそうな挙動が見つかっている。


『ポケモン レジェンズ アルセウス(以下、アルセウス)』は、アクションRPGとして開発された『ポケモン』シリーズ完全新作。舞台となるのは、まだヒスイ地方と呼ばれていた時代のシンオウ地方だ。本作は全面3Dグラフィックで描かれており、アクション要素によりシステム面でも自由度を増している。プレイヤーは自分の足や、ポケモンの背に乗る「ポケモンライド」によって広大なフィールドを思う様駆け回れるのだ。

本作のフィールドには山もあれば谷もある。主人公にクライミング能力はないため、急すぎる斜面を登ろうとしても滑り落ちてしまうのだ。そのため、プレイヤーは基本的にきちんとした道を歩くか、ポケモンの力を借りるなどして作り込まれたフィールドを探索していくことになる。しかし、そんなゲームのルールを打ち破る挙動を、海外ユーザーがTwitter上で報告している。

投稿された動画には、薄雪を纏う垂直な斜面を主人公がするすると登る様子が収められている。投稿者のAkuma氏は「狙うボタンを押しっぱなしにすることで、滑ったりしなくなるようだ」とコメント。どうやら鍵となるのは、照準が表示されてカメラがプレイヤーの肩越しになる投擲モードと見られる。山男でも滑ってころがり転がり落ちそうな場所を投擲姿勢で登っていく様子は、見ていてかなり衝撃的だ。同様の衝撃を受けたユーザーも多いのか、同ツイートは記事執筆現在で1万2000回以上リツイートされている。また、同氏は続くツイートで「投擲姿勢と解除を繰り返すことで、さらに急な斜面も乗り越えられる」と応用的な現象も紹介している。


筆者が実際に各ロケーション同現象の再現を試みてみたものの、投擲モードをキープしていてもすべり落ちてしまうのが確認できた。「履物に隠し効果があるのでは」と思い、雪駄やブーツなど一通り買い求めたものの、違いは見られなかった。投擲と解除の繰り返しによる崖登りも同様だ。また、上述のツイートにも「再現できない」とするコメントが複数寄せられている。ただし、同様の現象については別の報告例もあがっている。筆者もあらゆる条件で検証したわけではないため、特定の場所や何らかの「コツ」により発生する可能性は十分ありそうだ。

また、同ツイートへの反応として目立つのが「『The Elder Scrolls V: Skyrim』を彷彿とさせる」との声だ。同作においては、主人公はクライミング能力こそないものの、ジャンプや乗馬を駆使した人間離れした登攀能力を見せる。しかも、同作で登る山はしばしば雪が降り積もっている。雪を纏う崖を奇妙な挙動で登っていく主人公に、既視感を覚えたユーザーも多かったのだろう。また、代表的なオープンワールドARPGである『The Elder Scrolls V: Skyrim』と『アルセウス』がオーバーラップするのは、『アルセウス』が自由度高いフィールド探索要素を取り入れたゆえかもしれない。

そして、斜面にまつわる奇妙な挙動の報告はほかにも挙がっている。斜面から滑り落ちる最中にポケモンの攻撃を受けると、なぜか高速移動が可能になってしまうのだ。こちらは国内外のユーザーから報告があがっており、筆者もゲーム内にて再現できた。明らかに走っている方向と移動方向が合っていないため、ムーンウォークのようにも見える。いずれにせよ、なんらかのかたちで斜面を登ることができる事例はいくつも存在するようだ。自由度が高い本作だからこそ見られる現象だろう。


本作では、最終的にはポケモンの力を借りることで、高いところも悠々と到達可能。わざわざこの現象を利用する必要はなさそうに見える。一方で、一連の不具合と見られる報告には、「これはスピードラン(RTA)に活かせるのではないのか」との意見も寄せられている。たしかに、本来登れない崖の登攀と高速移動は、不具合などをフル活用する「バグ利用可能」カテゴリーでいかにも利用されそうなテクニックだ。ちなみに、スピードラン集計サイトSpeedrun.comの『アルセウス』カテゴリーは、日本時間2月8日午前2時解禁予定。開始後には、本稿で紹介したような挙動や、未だ広まっていないテクニックを駆使した爆速クリアが見られるかもしれない。

『ポケモン レジェンズ アルセウス』は、Nintendo Switch向けに発売中。




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