『Apex Legends』ブラッドハウンド新スキン販売方法をめぐって賛否両論。噂段階ながら、期待の大きさゆえに


来週2月9日に新シーズン「デファイアンス」が開幕する『Apex Legends』。先日公開のゲームプレイトレイラーでは、ブラッドハウンドの新スキンが披露された。トレイラー映像からは「プレステージスキンのティア2以降とフィニッシャーをアンロックするには、ゲームプレイが必要となります」という注釈が確認できる(4分17秒ごろ)。このことから、新スキンでは何らかの達成条件に応じてデザインやフィニッシャーが追加されるものと考えられる。トレイラー公開後は、斬新なスキンの登場に期待感を高めるユーザーも多かった。

しかしこのプレステージスキンが、3周年コレクションイベントのコンプリート報酬である噂が広まった。シーズン12で手に入るコンテンツを紹介する非公式動画が発端かと思われる。これを受けて、海外掲示板Redditではユーザーからの批判が続出。3周年記念をボイコットする声まで上がっている。


では、このコンプリート報酬を得るには、どれほどのコストが必要になりそうなのか。もし、従来のコレクションイベントと同様のコスト感であればコンプリートまでに1万6800 Apexコインが必要(まとめ買い割引で1Apexコインあたり最低1.09円)。クラフトメタルによる引換やバンドル割引を利用することもできるが、それを差し引いても決して安い金額ではない。端的にいえば、高額なのである。

ただ、このコンプリート報酬の販売システムは今に始まったことではない。レイスのクナイを除くスーパーレジェンドはすべて、今までのコレクションイベントでコンプリート報酬として販売されてきた。スーパーレジェンドはコレクションイベントで販売されている全24種のアイテムをすべて買い揃えた際の報酬であり、1種類のアイテムを高額で販売しているというわけでもない。

また、これまで販売されたスーパーレジェンドは、Apexパックから1%未満で排出されるスーパーレジェンドシャードを用いることでも入手可能。排出率は非常に低確率ではあるが、500パックという天井が設けられている。そのため、期間限定のコレクションイベント後でも手に入れることは可能だった(プレステージスキンが同様にスーパーレジェンドシャードによって入手可能かどうかは現時点で不明)。


つまり、コンプリート報酬の販売システム自体は以前からおこなわれていた。にもかかわらず、今回多くのユーザーたちが怒っている原因は何だろうか。それは、プレステージスキンに対してユーザーが抱いていた期待感の反動によるものかもしれない。

繰り返しになるがトレイラーの注釈から、プレステージスキンは何らかの条件を達成し、ティアを上げることでデザインが変化するものと考えられる。さらに、ティアを上げることで専用のフィニッシャーまでアンロックされるようだ。ティアに応じて成長していくスキンというのは今までの『Apex Legends』になかった要素で、スーパーレジェンド以上に作り込まれているようにも思える。今まで限定アイテムに興味のなかったユーザーの中にも、今回のスキンなら欲しいと思う人は多かったことだろう。

また、今回のプレステージスキンのデザインには『Titanfall 2』を彷彿とさせる部分がいくつかある。キャンペーンモードの主人公ジャック・クーパーのヘルメットや、対戦モードで
のクローク装置など、前作のデザインを取り入れたスキンの登場に心を躍らせたファンもいたはずだ。


もちろん、ほとんどのユーザーは今回のスキンが普段の限定スキンより高額になるのを覚悟していたはずだ。しかし、スーパーレジェンドと同じくおよそ164ドル(約1万9000円)もの金額が必要となるのは、一部ユーザーの予想を大きく上回ってしまったようだ。また、プレイヤー視点と観戦画面でしか見ることのないスーパーレジェンドとは違って、レジェンドのスキンは他人のものが目につきやすい。これも、彼らの怒りに拍車をかけているのかもしれない。

スーパーレジェンドも今回のスキンも、ゲームプレイを有利にするものではない(フィニッシャーの仕様によっては少しだけ有利にはたらく可能性はある)。それでも怒りをあらわにするユーザーが少なくないのは、新たなスキンに対する期待が大きかったためだろう。一方で、基本プレイ無料の『Apex Legends』にとってゲーム内アイテムの販売は生命線となっているはずだ。もしこの噂が真実だとして、新シーズン開幕と3周年記念イベントを目前に生じてしまったユーザーとのすれ違いに、双方が納得できる落としどころは見つかるのだろうか。今後の動向が注目される。

『Apex Legends』シーズン12「デファイアンス」は日本時間2月9日に配信予定。