『ポケモン レジェンズ アルセウス』の「モンスターボールの仕組み」をめぐって議論勃発。縮小機能はどこからきたのか?

『ポケモン レジェンズ アルセウス』』にて、モンスターボールにポケモンがおさまる仕組みについての議論が勃発している。縮小機能はどこからきたのか?

『Pokémon LEGENDS アルセウス(ポケモン レジェンズ アルセウス)』にて、モンスターボールにポケモンがおさまる仕組みについての議論が勃発している。ラベン博士のなにげない一言を発端として、ポケモンの縮小はポケモン自体の能力か、それともモンスターボールの機能なのか、ふたつの見解がぶつかり合っているのだ。


『ポケモン レジェンズ アルセウス』は、 アクションRPG要素を盛り込んだ『ポケモン』シリーズ最新作だ。舞台となるのは、まだヒスイ地方と呼ばれていた時代のシンオウ地方。プレイヤーは初のポケモン図鑑完成を目指して、古の大地に足を踏み入れるのだ。本作はマップやキャラクターなどが全面3Dで表現されている。プレイヤーキャラはステージを自由度高く駆け回り、直接ポケモンにボールを投げたり、プレイヤーへの攻撃をタイミングよく回避するなどのシステムも盛り込まれている。また、ポケモンたちはヒスイ地方の大地をありのままの姿で闊歩しており、行動パターンやスケール感も多種多様。目の前にポケモンがいる存在感を味わえるシステムとなっている。


そんな本作コミュニティにて、とある議論が勃発している。発端となったのは、主要キャラクターのラベン博士が言い放った「モンスターボールは、ポケモンのもつ縮小能力を利用している」とする一言だった。ポケモンの身体が小さくなってモンスターボールに収まるのは、モンスターボールの機能ではなく、ポケモンの先天的な能力だと提唱されているのだ。この発言に衝撃を受けたユーザーが、海外フォーラムResetEraにスレッドを立てている。同スレッドでは「ボールの機能じゃなかったのか」との驚くユーザーの声が寄せられている。

また、よほど設定が衝撃だったのか「認めない、ラベンが誤解しているだけだ」と拒否するユーザーも登場。ポケモンの研究が未発達との時代設定もあり、ラベン博士の証言の正確性に疑問を投じるユーザーたちもあらわれた。ともかく、キャラの濃いラベン博士の衝撃の一言により、「ポケモン自体が小さくなれる」派と「モンスターボールの機能がポケモンを小さくしている」派で激しい議論が交わされる事態になっているのだ。同スレッドでは、どちらの説を指示するかのユーザー投票も実施され「ポケモンが自分で縮小」派が235評を獲得した一方で、「ボールの機能で縮小」派が349評と優勢に立っている。

気になるのは、実際の『ポケモン』公式設定だ。「ポケモンに小さくなれる能力がある」との設定は、今回の『ポケモン レジェンズ アルセウス』が初出ではない。まず、1996年にアスペクトより出版された書籍「ポケットモンスター図鑑」には、「オコリザルが衰弱を理由に縮小してしまい、それを契機にモンスターボールの開発が進められた」との記述がある。同書籍には、シリーズ開発元ゲームフリークも協力しており、資料集的な側面も強い。つまり、「ポケモンは自分で小さくなれる」説に一定の説得力をもたらす証拠だ。

また、前述のスレッドでは「ポケモンは弱ると小さくなる」など、同説を補強する過去作品などの記述を提示するユーザーもいる。つまり、ポケモンの縮小能力については『ポケモン』の歴史のなかでしばしば触れられてきたのだ。


一方で、ポケモンがボールにおさまる具体的なメカニズムは、シリーズ作品でも明示されるのはやや珍しい。また、『ポケモン』アニメ版ではボールからビームが出てポケモンが格納される、ボールのテクノロジーのようにも見える描かれ方もされている。ラベン博士の発言に衝撃を受けるユーザーが多いのも無理からぬことだろう。議論は現在も続いているほか、TwitterなどSNS上でも多くのコメントが投じられている。どうやら、ポケモンが縮小能力をもっていることに驚きを示す意見が多く見られるようだ。

今回の『ポケモン レジェンズ アルセウス』では、ポケモンのスケール感や実在感がより色濃く描き出されている。ラベン博士が「ポケモンには小さくなる能力がある」と発言したのも、小さなボールにポケモンがおさまる描写の説得力を補強するためかもしれない。ただ、ラベン博士の発言を信じるか否かはプレイヤー次第だ。

『ポケモン レジェンズ アルセウス』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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