Daybreak Gameは1月26日、MMOFPS『PlanetSide 2』向けに大型アップデート「Expedition: Oshur」を配信開始した。本アップデートでは、目玉として新たな大陸(Continent)である「Oshur」が追加される。実に7年半ぶりの新大陸実装だ。
『PlanetSide 2』は、1000人規模の大規模戦闘を特徴とする基本プレイ無料のMMOFPSだ。舞台となるのは、地球から遠く離れた惑星Auraxis。偶然から入植されたこの惑星には、可能性に満ちた異星人のアーティファクトが眠っていた。複数勢力の介入から、いつしかAuraxisは辺境の植民地ではなく、エイリアン技術を応用しての終わりなき大戦争の場と化していった。プレイヤーは、Auraxisの覇権をめぐる勢力のひとつに所属し、死と再生を繰り返す兵士となるのだ。
Auraxisには複数の大陸が存在し、それぞれの大陸がローテーションしつつ各勢力の兵士たちを受け入れている。ほかのFPSゲームでいうマップに相当するが、それぞれの大陸がかなりの広さを誇る。多数プレイヤーが複数箇所で衝突し、最前線がいくつか発生するのもしばしば。プレイヤーたちは好みの最前線に飛び込んでいき、歩兵や乗り物からパワードスーツまで入り乱れての、一種お祭り騒ぎのような戦争を楽しむのだ。
本作は2012年にリリースされ、以降根強い人気を誇っている。バグ修正やコンテンツ追加など、ほぼ毎月なんらかのアップデートが配信される長寿タイトルだ。しかし上述の大陸については、2014年6月に実装された「Hossin」以来、新規追加はなかった。つまり、約7年半ぶりに新大陸が登場したのだ。また、水中戦闘や水中武器および新施設など、多数の新規コンテンツも実装された。近年ではやや異例な豪華さの大型アップデートとなっているのである。詳細については、開発元による発表を参照されたい。
突然の新大陸追加に、コミュニティも少々ざわめいている。Redditなど海外コミュニティでは、今回のアップデートに至った背景についての推測が飛び交っている。というのも、『PlanetSide』シリーズおよび開発元は近年、やや複雑な動きを見せていたのだ。まず、2019年には関連作『PlanetSide Arena』がSteamにて早期アクセス配信開始された。同作は、「新作『PlanetSide 3』の足がかりとなる」と開発者が伝えていた。
しかしながら、『PlanetSide Arena』は配信開始から約5か月にしてサービス終了。理由としては、「プレイヤー人口の不足」があると開発チームが報告した(関連記事)。そして翌年2020年には、『PlanetSide 2』開発元Rogue Planet Gamesの親会社であるDaybreak Gameが、スウェーデンのゲーム持株会社Enad Global 7に買収される。さらに、昨年2021年には同シリーズを牽引するプロデューサーのAndrew Sites氏がスタジオを離脱している。同氏は、Daybreak Gameがかつてソニー傘下のスタジオであるSony Online Entertainmentだった時からの古株だ。
『PlanetSide Arena』の失敗やDaybreak Gameの運営体制の変化などの結果、再び『PlanetSide 2』のアップデートに力が注がれたとも考えられるだろう。一方で、今回追加された新大陸「Oshur」については、2018年時点ですでに実装予定が公式にアナウンスされている。上述のような経緯が、新大陸の実装を遅らせたかは定かではない。しかし、本作ファンにとっては待ちに待ったアップデートが、今回ようやく配信されたことになる。
今後、Daybreak GameおよびRogue Planet Gamesは『PlanetSide 2』にふたたび注力していくのだろうか。また、未だファンの期待を集める『PlanetSide 3』の展望が明かされる日は来るだろうか。基本プレイ無料FPSの溢れる昨今にて、古株『PlanetSide 2』が今後どのように発展していくのか、まずは新大陸Oshurに降り立って確かめてみたい。