高評価SF人狼ADV『グノーシア』Steam版配信開始。人狼ゲームを繰り返し、ループの果てへ
弊社アクティブゲーミングメディアのインディーゲームパブリッシングブランドPLAYISMは1月23日、『グノーシア』Steam版を配信開始した。価格は税込2750円。PC上でも変わりないプレイフィールを実現するため、当初の配信予定2021年内から2022年初頭へと延期されていたが、ついに『グノーシア』がPCでもプレイ可能となった。
『グノーシア』は、閉鎖された宇宙船で人狼ゲームを繰り返し、ループの果てを目指すSF人狼ADVである。本作の舞台は、「グノーシア」と呼ばれる危険な存在が検知された、宇宙船の中だ。グノーシアは、人類を消し去ろうとしており、宇宙船内から1人ずつ人間を消すことで、宇宙船の乗っ取りを画策している。一方乗員たちも、グノーシアに対抗しようとする。しかし、グノーシアと人間に外見上の違いはなく、誰がグノーシアで誰が人間であるのか判別できない。そこで乗員たちは、疑わしい人物を見極めるべく議論を開始。コールドスリープによってグノーシアを眠らせることで、宇宙の危機に立ち向かおうとする。
本作の主人公は、プレイヤーの分身であり、記憶を失っている人物だ。主人公は、何らかの事情から医療用ポッドの中で眠りについていた。しかし、グノーシア事件の発生にともないポッドの中から起こされ、議論へと参加する。
また主人公はループに巻き込まれており、グノーシア事件の起こった宇宙船内を繰り返し体験する。なぜ主人公がループに巻き込まれているのか。グノーシアとは一体何なのか。同じくループにとらわれているセツと共に、数多のグノーシア事件と謎に立ち向かい、ループからの脱出を目指す。
議論では、多数決によってコールドスリープ対象を決定。対するグノーシアは、1日ごとに1人の人間を消し去ろうとする。議論とグノーシアによって乗員が減っていく中で、グノーシアがすべて眠りにつけば人間の勝利だ。
主人公は、グノーシア事件に巻き込まれた乗員の1人として議論に参加し、コマンドによって発言をおこなう。誰かを疑ったり、誰かの意見に賛成/反対したりなど、周囲の印象を操作。発言によって多数決の結果に影響を及ぼしていく。ただし、主人公も含めた各キャラクターには、ステータスが存在している。ステータスは、カリスマ/直感/ロジック/かわいげ/演技力/ステルスの6種類。たとえば、カリスマが高いと周囲に影響を与えやすくなり、直感が高いと誰かの嘘に気づきやすくなる。かわいげや演技力といった自身の生存に繋がるステータスもあり、同じ行動をとっていてもステータスによって流れが変化する。ステータスで解放されるコマンドもあり、ステータスと発言がプレイヤーの推理と並んで勝敗を左右するわけだ。また主人公のステータスは、ループを繰り返すなかで成長していく。
本作には、論理的であるものの嫌われがちなラキオ、高いカリスマで影響力をもつ夕里子、ステレオタイプな宇宙人風のしげみち、主人公を導いてくれるセツなど、14人の乗員が登場する。各キャラクターは、特殊能力のない乗員と人類の敵であるグノーシアも含めて、何らかの役職をもつ。具体的な役職としては、対象がグノーシアであるか判別可能なエンジニアや、アリバイによってグノーシアではない留守番、グノーシアに協力的なAC主義者など、8種類が登場。各乗員には、それぞれ固有の性格や行動が用意されている。さらに、ループごとに乗員の役職が異なり、個性的なキャラクターとの人狼ゲームを繰り返し遊べるようになっている。
また、ループ中に特定の条件を満たした際には、各キャラクターとのイベントも発生。各キャラクターの秘密や、ループの謎が少しずつ明かされていく。1ループあたりのプレイ時間は15分程度。多彩なキャラクターたちとの人狼ゲームと、ループの果てを目指すストーリーが、本作の特徴といえるだろう。
本作を開発したプチデポットは、名古屋に住む4人組のゲーム開発集団だ。過去作としては、魔物アパート経営TD『メゾン・ド・魔王』を開発。同作のSteam版では、950件以上のユーザーレビューにより、90%以上の高評価を得て「非常に好評」を獲得している。また『グノーシア』では「日本ゲーム大賞2020」のゲームデザイナーズ大賞の最終選考に残ったほか、「indiePlay 2021」のBest Overseas Gameに選ばれている。国内外で、すでに高い評価を受けているわけだ。
『グノーシア』Steam版は、税込2570円で配信中。Steam版では、描き下ろしのSteamトレーディングカードが用意されている。また本作は、PlayStation Vita版およびNintendo Switch版も配信中だ。