低価格ローグライクアクション『Vampire Survivors』がSteamで人気沸騰。中毒性が高いとして
低価格かつシンプルな見下ろしアクションゲーム『Vampire Survivors』が、流行の兆しを見せている。昨年Steamにて早期アクセス配信開始された本作は、今年に入り突如としてプレイヤー数の大幅増加を見せているのだ。その背景には、本作の魅力とインフルエンサーによる紹介があったようだ。
『Vampire Survivors』は見下ろし視点のアクションゲームだ。「死ぬとほぼ一からやり直し」「武器や能力はランダムなラインナップから選ぶ」など、近年のいわゆるローグライク作品によく見られるシステムを導入している。操作は至ってシンプルで、キーボードやコントローラーを用いたキャラクターの移動のみ。つまり片手で遊べてしまうのである。ゲームを開始すると、プレイヤーには大量のモンスターが群がってくる。プレイヤーは群れをいなしつつ、一定間隔で発動する攻撃をうまくヒットさせて敵を倒していく。キャラクターには複数種類があり、開始直後は既視感ある「ムチを武器とするヴァンパイアハンター」を選択することになる。最初はキャラの左右一方にしか攻撃できず、大量の群れに対するには心もとない。
本作の魅力は、プレイヤーパワーのインフレにある。レベルアップや敵が落とす宝箱によって、短剣・オノ・聖水などのパワーアップを累積して獲得できる。また、パワーアップが重複すれば、ムチは左右広範囲を切り裂き、聖水は爆撃のごとく空から降り注ぎ、短剣はマシンガンのように発射される。どんどん膨れがっていく敵の群れに対して、こちらも歩く災害のような殺戮マシンと化して対抗していくのだ。キャラがやられると全武器・アビリティが失われるものの、ステージで拾った金貨で周回をまたぐ恒久的なアップグレードも可能。プレイごとに新しいキャラや武器・能力もアンロックされ、ついつい次の周回に突入してしまう。シンプルながら強い中毒性をもった作品だ。また、300円という価格設定も手軽に楽しめて嬉しい点だ。
『Vampire Survivors』は、昨年12月17日にSteamにて早期アクセス配信を開始。リリース後は10人ほどのユーザーが触れるに留まっていた。しかし、今年1月6日前後より突如としてプレイヤー人口が増加傾向を見せた。以降、本作を楽しむプレイヤーは右肩上がりに増え続け、現在はピーク時で8000人に迫るSteam同時接続プレイヤー数を記録している(SteamDB)。また、口コミおよびYouTubeやTwitchなどの動画配信プラットフォームでも本作を紹介するユーザーも散見されるようになり、海外メディアPCGamesNなどが本作を取り上げて人気を伝えるに至った。
本作の人気に突如火がついた理由は定かではない。ただ、1月6日にはYouTubeチャンネルWanderbotsにて本作が紹介されており、再生数は6万9000回を超えた。本作のプレイヤー数急増および、SNS上での本作への言及が増えたのも時を同じくしている。こうした点から、同動画が本作を広く知らしめる一定の役割を果たしたとは考えられる。また、本作のシンプルかつ中毒性の高いゲームプレイそのものが、ユーザーたちの心を掴んだのは間違いないだろう。本作には記事執筆時点で2946件ののSteamユーザーレビューが寄せられ、実に99%が好評の「圧倒的に好評」ステータスとなっている。隠れた良作が、インフルエンサーによって脚光を浴びた好例だ。
『Vampire Survivors』の開発元poncleは、イギリスを拠点とする個人開発者Luca氏によるスタジオ。同氏はゲームおよびウェブ開発を専門としており、本作以前にもHTML5を利用したゲーム作品を自サイトにて複数公開している。また、本作についてはitch.io向けにもSteamリリースに先んじて公開されており、こちらはブラウザで無料プレイ可能だ。こちらは今後デモ版として配信を続け、コンテンツの追加などは有料のSteam版を中心におこなっていくとのこと。
なお、本作は約1年の早期アクセス期間を見込んでいる。正式版ではさらにキャラクター・ステージ・武器などが追加され、RPG要素も盛り込まれるとのこと。また、ストーリーモードや「Arcanas(アルカナ)」なるシステムの導入も予定している。価格についても、コンテンツの拡充に応じて値上げしていく見込み。
『Vampire Survivors』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中で、価格は税込300円。本作が気になる方は、itch.ioのデモ版を触れてみるのもよいだろう。