クラファンで1000万円集めたシューティングゲーム、開発会社が離脱へ。制作費用支払いにトラブルか

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株式会社ピクセルおよび代表取締役の佐々木英州氏は1月4日、シューティングゲーム『スチームパイロッツ』の制作から離脱することを発表した。同プロジェクトは、クラウドファンディングにて1000万円を集めていたが、資金の分配にトラブルが発生していたという。 
 

 
『スチームパイロッツ』はPC向けに開発されてきた、縦スクロールのシューティングゲームだ。元コナミ所属の作曲家・古川もとあき氏および、そのマネージャー雨宮天気氏によりプロジェクトが立ち上げられた。スチームパンクを思わせる世界観で、盗賊の少年バートが町の平和を取り戻すべく奮闘する姿が描かれる。自機としては、ハンマーやスピードバードなど、異なる武器を駆使する「七つの翼」を使い分ける。難易度としてはイージー/ノーマル/ハードの三段階が用意され、シューティング初心者から上級者まで幅広く対応するとしていた。本プロジェクトは2019年よりクラウドファンディングを開始し、二度の資金集めを実施。合計で1000万円を超える資金獲得に成功している。 
 

 
一方で、『スチームパイロッツ』は支援を集めたのとは裏腹に、リリース延期を繰り返してきた背景もある。もともとは2020年9月末までに支援者へゲームソフトを届ける予定だったが、2020年4月ごろからコロナ禍の影響について言及。10月にはリリースの延期を告知した。2021年4月には、前述した二度目のクラウドファンディングを実施し、2021年8月末のリリースを目指すも、ふたたび延期。最新の開発状況が伝えられたのは同年9月で、楽曲制作・プログラムを進めていることを明かしていた。 

同プロジェクトには、著名なクリエイターが多数参加していることも特徴だ。キャラクターデザイナーとしては、「ツインビー」シリーズで知られるShuzilow.HA氏を起用。またゲーム中に流れるテーマソングのボーカルとして、かの声優・國府田マリ子氏が参加している。そしてゲームのデザイン・プログラム・ドットグラフィックなど、ゲーム制作全般を担当していたのが、佐々木ひでくに(佐々木英州)氏であった。 

佐々木氏が代表を務める株式会社ピクセルは、仙台に拠点をおく企業。ウェブ制作・オリジナルゲーム開発・レトロゲームのイベント運営を中心として、2016年より事業を展開している。2021年にはNintendo Switchにて横スクロールシューティング『ホーギーヒューwithフレンズ』を発売。2022年には、カンフーアクションゲーム『焔龍聖拳シャオメイ』のNintendo Switch版や、横スクロールシューティングゲーム『アステリアの翼』などの発売を予定している。 
 

『ホーギーヒューwithフレンズ』

 
今回の発表に際し、佐々木氏は事情を説明。『スチームパイロッツ』プロジェクトにおいては、制作参加の依頼があった2019年6月14日から2022年1月4日に至るまで、ピクセルには一切の制作費用が支払われていないという。佐々木氏はユーザーに楽しんでもらえるように、またともに参加するクリエイターの仕事に応えられるように、やれる範囲で尽力してきたものの、開発の継続が難しく断念せざるを得なかったという。背景には、自社ゲームの発売延期といった経営への負担もあったそうだ。 

本件に関し、弊誌は『スチームパイロッツ』クラウドファンディングがおこなわれたプラットフォームMakuakeに問い合わせをした。事実関係を確認したところ、Makuakeから『スチームパイロッツ』プロジェクトへの送金は完了しているとのこと。つまり佐々木氏の主張が事実であれば、プロジェクト発起人の古川氏からピクセルへ支払いがおこなわれる段階で、何らかのトラブルが発生していると見られる。また、弊誌からは佐々木氏にも本件について問い合わせた。佐々木氏によれば、現在は弁護士を通じて話し合いを進めている最中であり、本件について詳しくは発表できないとのこと。すべて明かせるタイミングになり次第、契約内容や経緯を公開するという。 

現在のところ、古川氏からの正式なコメント発表はない。資金について制作段階で支払われるはずだったのか、ゲームの完成時点で支払われる取り決めだったのかは明らかになっておらず、古川氏と佐々木氏の間で明確に契約不履行があったのかは不明だ。弊誌は古川氏へも問い合わせており、返答があり次第追記する。なおTwitterでは、古川氏から支援者向けにクローズのコメントが出されたとの報告も上がっている。 
 

『スチームパイロッツ』

 
ピクセルが離脱したことで、今後『スチームパイロッツ』制作が継続されるのかは不透明だ。佐々木氏によれば、ピクセルはゲームデザイン・ディレクション・仕様策定・クリエイター仲介・プログラム・ドット絵・ラフイラスト制作・キャラクター原案・メカデザイン・アニメーション制作・ SE・セリフの実装・UIデザイン・ロゴデザイン・PV制作を担当していたという。非常に広範な業務を請け負っていたと見られ、同社が離脱することでプロジェクトへの影響は避けられないだろう。今後も開発を続けるのか、中止するのであれば支援者への対応はどうなるのか。今後の正式な発表が待たれる。

『スチームパイロッツ』の概要については 、Makuake キャンペーンページ(1/2)から確認可能だ。ただしキャンペーンは終了しており、今後の開発については不透明である。 




※ The English version of this article is available here

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