国内の個人開発者KazuhideOka氏は12月19日、『ナツノカナタ』にてクリスマス限定のイベントを開始した。また12月12日のアップデートでは、早期アクセス版のシナリオクリア後も探索可能になる「いつか、あったかもしれない日々」が登場している。
『ナツノカナタ』は、終わってしまった世界を少女と旅する、終末系テキストADVだ。ある夏の日、平穏な世界に住む主人公は、祖母の遺品整理中に古いコンピューターを発見。中に残されていた映像を開くと、知らない少女の声が響いてきた。
彼女の名前はナツノ。東京に住んでいたが、感染すると人を襲う未知のウイルスによるパンデミックが起こり、逃げるように北へ向かって1人で旅をしているという。主人公は、ナツノに話し相手になってほしいと頼まれ、通話越しに終わってしまった世界の探索へ同行することになる。コンピューターを経由して繋がる謎の通話。異なる2つの世界。夏の空の下、少女はパンデミックの謎を探りながら、北へと旅していく。
ナツノは、生きるために各地を探索しながら旅を続けている。誰も居なくなった海辺や空っぽのお店、寂れた小屋などに立ち寄り、食料や武器を集めることで、終わってしまった世界を生き延びているわけだ。
主人公は、通話越しにナツノの探索に同行。ナツノが部屋の様子を教えてくれるので、行動を提案する形で探索に参加する。具体的には、テキスト入力欄に文字を打ち込んで話かけ、ナツノの行動に干渉。大きな衣装箪笥を避けるように注意したり、アタッシュケースを開けるように意見したりなど、会話を通して調査を進めていく。テキストの入力は、キーボードで打ち込む以外に画面内の文字のクリックにも対応。ナツノは自発的に行動するので、口を出さず見守っていても、ある程度探索は進んでいく。そのほか、拾った素材を組み合わせて、弾薬や料理を作るクラフト要素も導入されている。
12月12日のアップデートでは、早期アクセス版のエンディング後も引き続き探索が可能となる「いつか、あったかもしれない日々」がゲーム内に登場した。現在早期アクセス中の本作では、メインストーリーとして物語の前半が実装されており、最後までプレイすると探索ができなくなっていた。「いつか、あったかもしれない日々」では、メインストーリーで辿った旅の続きではないものの、いつかの物語として再びナツノとの旅が描かれるわけだ。「いつか、あったかもしれない日々」には専用のアカネ編や、ミニエピソードがついたアイテムが用意されているほか、本編用のサブエピソードも発生する。今後のアップデートでも、コンテンツが追加されていくという。
また12月19日からは、ゲーム内でクリスマス限定イベントが開催中だ。期間内にゲームを起動すると、サンタのワンピースと暖炉のある小屋の地図が獲得できる。サンタのワンピースをナツノに装備させると、ナツノの衣装がサンタ風の服装に変化。暖炉のある小屋の地図を所持して探索に出かけると、クリスマス関連したナツノとの一幕が展開される。なおクリスマス限定イベントの開催期間は、12月31日まで。プロローグを終了していない場合は、プロローグ終了後にゲームを再起動すると、アイテムが獲得できるそうだ。
本作の開発は、企画/制作/シナリオをKazuhide Oka氏、キャラクターデザインをChiji氏、サウンドをruichiro氏が担当している。2021年8月にSteamにて早期アクセス配信がスタート。以降アップデートが続けられており、大きな変更としては、パラメータ空腹度の追加や体力/空腹度の可視化、探索間サブイベントの追加、カギ系アイテムの廃止などが実施。プレイヤーからのフィードバックを得て、開発が続けられているようだ。またプレスリリースによると、12月20日時点で5万ダウンロードを突破。引き続き定期的なアップデートを実施し、フルバージョンを2022年内にリリース予定だという。
『ナツノカナタ』は、Steamにて無料で早期アクセス配信中。フルバージョンについても、無料配信予定となっている。