VOID Interactiveは12月18日、SteamにてタクティカルFPS『Ready or Not』の早期アクセス配信を開始した。資金確保にまつわる事情もあっての、応急処置的な面もあるリリースだった。しかし、多くのプレイヤーと高評価に恵まれる、好調な滑り出しとなったようだ。
『Ready of Not』は、VOID Interactiveが手がけるタクティカル一人称視点シューターだ。プレイヤーは警察特殊部隊SWATの一員となり、チームと共に犯罪現場に突入。人質の保護や犯人の無力化など、状況に応じた任務を遂行する。本作は現状最大5人までのCo-opに対応するほか、AIの隊員とプレイするシングルプレイヤーモードもサポート。対人戦モードも実装予定だ。本作の特徴は、リアルさを重視したゲームシステムにある。本作では銃弾の貫通や跳弾および防弾装備の物理特性などもシミュレートしているという。また、ゲームのルール自体もやや珍しい。
プレイヤーはあくまでも警察であるため、犯罪者をただ気ままに撃てばよいわけではない。プレイ中には、人質の安全確保など現場確保の必須条件が表示される。いくら犯罪者を無力化しても、警察としての職務をすべて遂行しなければステージクリアにはならない。また、犯罪者についても殺害ではなく生存したままの確保が重視される。世界中の警察から助言を受けたという得点システムにより、任務遂行中のさまざまな行動がミッション終了時のスコアに反映されるのだ。銃撃戦もシビアで、一般的なシューターのようなヒーロー気分で突入すれば、犯罪者の凶弾に倒れ一瞬で殉職してしまう。そのため多彩な装備や武器カスタムを活用し、チームと連携しての慎重な任務遂行が要となる。まさにSWAT体験ゲームといえる作品だ。
本作は2017年に発表され、2019年には自社サイトにて予約販売を開始。以降、アルファテストを実施しつつ開発を継続していた。2020年6月にはさらに大規模なオープンベータテストを開始予定だったものの、パンデミックなどの影響もあり時期尚早だとして延期を伝えていた。そして今年12月12日に、ベータテスト版を兼ねたSteamでの早期アクセス配信に踏み切ると発表したのだ。発表にて開発元は、ゲームの完成度に懸念がある段階での早期アクセス配信は避けたかったとコメント。しかしながら、今後の開発リソース確保のためにやむを得ず配信を決断したと伝えていた(関連記事)。
そして、幸いながら開発元の懸念は的中しなかったようだ。本作はリリースから約2日目にして、Steamにて1万5000人に迫るピーク同時接続者数を記録(SteamDB)。記事執筆時点で3889件のSteamユーザーによるレビューが寄せられており、うち96%が好評を投じる「圧倒的に好評」となっている。レビューのなかでは、Irrational Gamesが2005年にリリースした作品『SWAT 4』を彷彿とさせるとの声が散見される。たしかに、同作と『Ready or Not』のゲームシステムには共通点が多い。今回の好評の背景には、長年後継作に恵まれなかった“SWAT体験ゲーム”ファンの喜びもありそうだ。
『Ready or Not』はPC(Steam/公式サイト)にて早期アクセス配信中。正式リリースまでの期間は1年間を見込んでいる。正式リリースに向けて、5つのステージや新規ゲームモードなどのコンテンツなどのほか、英語以外の言語サポートも追加していくとのこと。