『原神』The Game Awardsで「ジェンシン」とうっかり読み上げられる。全世界目撃の言い間違え、声優や公式もイジる始末

 

オープンワールドARPG『原神』ファンコミュニティで、「ジェンシン(Jenshin)」なる言葉がミーム化し大流行を見せている。その発端は、昨日開催されたイベント「The Game Awards 2021」での“発音の間違え”だった。
 

 
『原神』はmiHoYoが手がけるオープンワールドアクションRPG。本作はワールドワイドで高い人気を誇り、The Game Awards 2021ではBest Mobile Gameの栄冠に輝いた。受賞のお祝いとして、運営元はゲーム内で祈願(ガチャ)などに使える「原石」配布を実施。本作ファンコミュニティにもにわかに祝賀ムードが広がっている。一方で、英語圏コミュニティを中心に爆発的に広がっているミームがある。それが「Jenshin Impact(ジェンシン・インパクト)」だ。

念の為申し上げると、『原神』は「ゲンシン」と読む。また、英語圏タイトル『Genshin Impact』も同様に「ゲンシン・インパクト」と発音するのが一般的だ。ところが、英語話者にとってはこの「Gen」がなかなか曲者だ。英語では、「Generation(ジェネレーション)」「Oxygen(オキシジェン)」など、「Gen」を「ジェン」と発音する単語がほとんど。「ゲン」となる単語は外来語が多い。つまり、英語話者が特に意識せずに「Genshin」との文字列を読んだ場合、「ジェンシン」と発音してしまう可能性が高いのだ。
 

 
普通であればジェンシンと読んでしまったところで、些細な間違えで済むだろう。しかし、悲しいかな今回の読み違えは、よりによってThe Game Awards 2021で起きてしまった。同イベントは複数プラットフォームで生中継されており、多数ユーザーが視聴していた。ピーク同時視聴者数としては、約210万人を数えたとの調べもある(Streams Charts)。その、まさに全世界が注目するゲームの祭典で悲劇は起こった。Best Mobile Game受賞作の発表となり、プレゼンターのAerial Powers氏がマイクを握る。全世界のゲーマーが見守るなか、彼女は胸を張ってはっきりと言い放ってしまったのだ。「ジェンシン・インパクト」と。
 

 
この些細な言い間違えは、多くの英語圏ユーザーに目撃され瞬く間に話題となった。SNS上では「ジェンシンが受賞した!」など、言い間違えを揶揄する本作ファンが続出。Twitter上では「Jenshin Impact」さらには、本作英語版で刻晴の声を担当するKayli Mills氏が「ヒット作のジェンシン・インパクトに関われて名誉に思う」とのジョークを自身のTwitterアカウント上に投稿した。ほかにも、Brianna Knickerbocker氏(胡桃役)、Cory Yee氏(ゴロー役)、Anne Yatco氏(雷電将軍役)など多数の本作出演者がSNS上で反応。香菱役のJackie Lastra氏などは、自身の名前のJをGに入れ替えて「Gackie from Jenshin Impact(ジェンシンインパクトのガッキー)」を名乗るおちょくりようだ。挙句の果てには、英語版『原神』公式Twitterアカウントまでもが「ジェンシン」と自称するに至っている。
 

 
言い間違えを面白がるコメントやミームは、現在もとどまるところを知らない。一方で、Powers氏個人に対する揶揄や批判はSNS上などでもほとんど見られない。「ジェンシン」ミームに乗るユーザーたちは、批判を込めて揶揄しているというより、「大舞台での言い間違え」という出来事そのものを面白がっているのだろう。また、Powers氏の本業はスポーツだ。同氏はWNBA(米女子プロバスケットボールリーグ)でプロのバスケ選手として活躍している。ストリーマー活動やゲーミングチームTeam Liquidとの契約も交わしているものの、それも近年になってから。Twitter上では「私だって『原神』を知らなかったらジェンシンと言っちゃう」との意見も投稿されている。Powers氏の事情を汲み取りながら、「畑違いだから仕方ない」と許容するユーザーも存在するようだ。

ゲームイベントで作品タイトルを間違えるのは、避けられるべきミスだろう。しかしながら、今回は比較的些細な発音の間違えであり、発音を知らなければ思わず引っかかってしまう落とし穴だった。来年のThe Game Awardsでも『原神』が受賞することがあれば、その発音に注目が集まることだろう。