『ストリートファイターV』にてTwitter上での舌戦から米vs欧のリージョン対立が過熱。公式を巻き込み、アメリカ・ヨーロッパ戦争勃発か

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『リーグ・オブ・レジェンド』で特に過激化して以来、もはやeスポーツ全般における一大ミームとまで化しているNA(北米) vs EU(ヨーロッパ)。その余波は格闘ゲームシーンにまで波及しつつあり、ツイッターでの舌戦から始まり公式まで巻き込んだ対抗戦ショーマッチにまで発展しつつある。 

今回の騒動の発端となったのは『ストリートファイターV』北米最強のプレイヤーと名高いPunk氏のツイートだ。 内容は「ヨーロッパのプレイヤーは、同じヨーロッパのプレイヤーが勝つとすぐヨーロッパが最強のリージョンだと騒ぎ出す」というのを揶揄したもの。その口調はかなり攻撃的で挑発的である。 Punk氏はその後、「最強だというならヨーロッパ代表を選んで1万ドルずつ賭けて俺と対戦してみろ」と続けざまに挑発的なツイートを繰り返した。 
 

 
すると、これに対してイギリスのプレイヤーHurricane氏が反応。個人の強さではなくリージョン全体としての強さの話なのだから、賭けて対戦するならPunk氏以外を連れてこいというHurricane氏。これに対し、Punk氏は同郷アメリカの強豪プレイヤーiDom氏の名前を挙げてあくまでやる気の姿勢を崩さず。騒動はこのやり取りをきっかけに一気にアメリカとヨーロッパの『ストリートファイターV』シーン全体を巻き込んだ話へと発展していく。リージョンとしての強さを競い合うなら、それぞれ最強のプレイヤー10人ずつを選んで総当たりの10vs10をするべきといった声も挙がりはじめる。 
 

 
定番の「NAvsEU」論争がヒートアップしていくなか、発端なだけありPunk氏のトラッシュトークはまったく収まる気配がなく、「アメリカが最強のリージョン。10vs10ならヨーロッパはもちろん、日本だって相手にならない」と発言。勝手にアメリカ代表10人を選出し個別に了承を取り始め、もはやショーマッチのオーガナイザーのような立ち回りをし始める。もちろんHurricane氏をはじめとしたヨーロッパ勢も一歩も引かない姿勢を見せ、ついにカプコンの公式ツイッターまで乗り気の姿勢を見せる事態へと発展していく。 
 

 

 
蚊帳の外と思いきや突然Punk氏のトラッシュトークに巻き込まれたかたちとなる日本でも、そこまでいわれて黙ってはおけないと「チームジャパン」選考の光景などが見られた。『ストリートファイターV』において日本はかなりの強豪プレイヤーが集うリージョンだ。今回の騒動は高みの見物かと思われたところで、あのPunk氏の発言は看過できないという日本のプレイヤーも多かったであろう。 
 

 
しかし今回のメインはあくまでもNAvsEU。日本まで参加して三つ巴のイベントとなるかどうかは微妙ながらも、カプコン公式が乗り気の姿勢を見せた以上、この「10vs10リージョンプライドマッチ」自体は実際に開催される可能性が高いように思える。eスポーツにおけるNAとEUのライバル関係は最大のミームの一つであり、ライブ配信などでもこの2リージョン間での対戦中はコメント欄が煽り合いとスパムで埋め尽くされることが多い。そういった意味では、このショーマッチは実際に開催されたら下手なメジャー大会よりも盛り上がってしまうかもしれない。 
 

 
Punk氏は今回の件に限らず普段から比較的挑発的な言動が多いプレイヤーだ。『ドラゴンボールファイターズ』で有名なSonicFox氏や『大乱闘スマッシュブラザーズDX』のLeffen氏など、欧米には他にも非常に高い実力をもちながら、SNSでは過激な発言でシーンを賑やかす性質のプレイヤーがいる。日本ならば下手したら「プロとして不適切」と炎上しかねないような言動のプレイヤーも、ある種のヒールとして受け入れられているのだ。 

煽り合いもこういったイベントへと昇華できてしまうのは、ある意味アジア圏との文化の違いを示しているのかもしれない。あるいは、古くからいろいろなかたちでの「場外乱闘」を目にしてきた格闘ゲームコミュニティの、すぐに「じゃあ直接やり合って決着をつけよう」となれる懐の深さ(?)を示す一件ともいえそうだ。はたして NAvsEUのリージョンプライドマッチは実現するのか、期待したいところだ。 




※ The English version of this article is available here

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