『Call of Duty』新アンチチートシステムは、チーターを『CoD』シリーズから追い出すかも。対策チームが進捗レポートで明かす

 

Activisionは現地時間11月12日、「RICOCHET Anti-Cheat」に関する進捗レポートを公開した。同アンチチートは、『Call of Duty: Vanguard』や『Call of Duty: Warzone』に採用されている。今回のレポートでは機能実装の予定のほか、「すべてのアカウントの恒久BAN」なる処罰についても明かされている。


「RICOCHET Anti-Cheat」はActivisionが推進するチート対策システムだ。同システムはチートに対抗する複数のアプローチから構成されている。サーバー側での施策や不正調査プロセスの強化のほか、クライアント側のソフトウェアも強化。PCのカーネルレベルドライバを利用してのチート検出機能を実装する予定だ(関連記事)。

ドライバの導入はまだされていないものの、RICOCHET Anti-Cheatの取り組みは始まっているようだ。RICOCHETチームは、すでに『Call of Duty: Vanguard』の不正行為を監視しているとのこと。11月5日の同作発売から、BAN処分を随時実行しているそうだ。また、チームは同作開発元のSledgehammer Gamesと協力し、経験値稼ぎやアンロックアイテムに関するバグ修正にも携わったとのこと。

RICOCHETチームは取り組みの「新しい段階」として、前述のカーネルレベルドライバに言及。同ドライバは『Call of Duty: Warzone』のPacificアップデートにて初実装されると明かした。その後、『Call of Duty: Vanguard』にも導入されるとのことだ。また、不正行為の処罰プロセスの強化・拡充にも取り組んでいるとコメント。かつてよりも頻繁なBAN処罰を実施しているとした。


そして、注目したいのが『Call of Duty: Vanguard』における不正行為処罰ポリシーの変更だ。RICOCHETチームは、チートのような不正行為をおこなうユーザーは“すべてのアカウント(All accounts)”を恒久的に停止すると伝えている。“すべてのアカウント”がなにを指すかには解釈の余地がある。同フランチャイズ作品は、マルチプレイやサービス利用にあたり、Activisionアカウント(CoDアカウント)が必要になる場合がある。また、同作が展開されているBattle.netアカウントなども含まれるかもしれない。ほかにも、プレイヤーのアイデンティティやハードウェア構成を誤認させる、または隠匿する行為にも恒久BAN処罰が下されうるとのこと。つまり、ポリシー変更によりチート行為やいわゆる“捨てアカウント”作成に対する処罰を強化する。タイトルからのBANのみならず、アカウント単位での罰則を実施していく方針のようだ。

今回の罰則強化により悪質ユーザーは、CoDアカウントを利用するフランチャイズ作品全体から締め出されるリスクも負うこととなった。そして、RICOCHET Anti-Cheatの取り組みはまだ始まったばかりだ。ドライバ実装など、続く施策がチーターに苦渋を飲ませることを期待したい。