オープンワールド森暮らしゲーム『Among Trees』がSteamで発売されるも、賛否両論状態。早期アクセスユーザーらの怒りが影響か


先日正式リリースされたばかりの森暮らしゲームが、議論を呼んでいるようだ。11月10日、早期アクセス配信を終えSteamおよびEpic Gamesストアにて販売されている『Among Trees』。同作は、色鮮やかな森の奥で静かに暮らすサバイバルゲームだ。プレイヤーは自身の小屋を拠点として、慎ましい自給自足の生活を送ることになる。森を探索して食料や資源を確保し、クラフトして拠点を拡大していく。ときには熊などの危険に対処しつつ、静かで慎ましい生活を送ることが本作の目的となる。 
 


美しいグラフィックが印象的な『Among Trees』だが、正式リリース直後である現在のSteamストアレビューは「賛否両論」。106件のレビューのうち約半数がネガティブな評価を下している状況だ。何が評価を分けているのか。 

本作は2020年6月からEpic Gamesストアにて早期アクセス配信開始された。それから約1年半の早期アクセス配信期間が設けられたわけだが、実はこの間にアップデートにて追加されたコンテンツ量が不満を呼んでいるようだ。昨年11月には、ペット機能や醸造要素、新たなアイテムを追加するメジャーアップデートが実施。それからしばらくコンテンツ追加はなく、半年後となる2021年5月にジャーナルシステムと新エリアが実装された。 

先月10月末には、新たにサバイバル要素として「のどの渇き」が追加。ほか、キーバインドのカスタマイズやインスタントクラフト機能が追加されている。そして11月10日に正式リリースを迎えたわけだ。18か月の早期アクセス配信期間においてコンテンツ追加がおこなわれたアップデートは3回と、確かに控え目の頻度となっている。 
 

 
開発元は11月10日の投稿などで、『Among Trees』の開発終了を告げている。今年いっぱいはバグ修正と最適化を続けていくものの、新機能やコンテンツを実装する予定はないと伝えた。この告知がユーザーの怒りを買ったようだ。コンテンツ追加を期待して早期アクセス配信期間中からサポートを続けてきたものの、あまり大きなアップデートがおこなわれないまま開発終了が告げられたことに反発が集まっているのである。 

開発元FJRD Interactiveには、たびたびファンから開発状況を心配する声が届けられていた。今年2月には公式フォーラムで、現状を尋ねるユーザーが登場。また7~8月にかけてもTwitterで、ユーザーから進捗を尋ねるリプライが送られていた。開発元も反応は見せており、チームとして全力で制作にあたっていることなどを都度伝えている。実際、5月と10月にアップデートはおこなわれたわけだが、追加されたコンテンツは小規模で限定的。ユーザーとしては、より大きなコンテンツ追加を期待してサポートを続けていた人もいるだろう。それだけに、正式リリースにあたっての突然の開発終了宣言には落胆したユーザーが多かったようだ。もしも、より頻繁にユーザーとコミュニケーションし、具体的に何を実装予定であるかを明確に伝えていれば、こうしたギャップは生まれなかったかもしれない。 
 

 
Steamコミュニティでは、「このゲームを買うな」「もう見捨てられたゲームだ」といったスレッドが数多く立てられており、そうした声に影響されてか、Steamストアでも開発元のスタンスに疑問を呈する低評価レビューが投じられている。Epic Gamesストアで『Among Trees』を遊んでいたと見られるユーザーが、SteamやRedditなどさまざまな場所で本作の開発に不満をこぼしており、そうした声がほかのユーザーに影響をおよぼしている可能性がありそうだ。 

FJRD Interactiveは『Among Trees』の開発を終えたのち、新しいプロジェクトに着手したいとしている。とはいえコミュニケーション不足から招いた不信感は、次回作においてもつきまとう可能性はあるだろう。FJRD Interactiveは現時点で反応を見せていないが、今後スタジオがどのような方向に舵を切っていくのか、注視したいところである。『Among Trees』はSteam/Epic Gameストアにて販売中。Steamでは11月18日までセールが実施中で、定価1520円のところ10%オフの1368円で入手可能だ。 




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