ポーランドのデベロッパーDOJIは9月20日、コーヒー販売シム『Coffee Noir – Business Detective Game(以下、Coffee Noir)』を9月30日に発売すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。
『Coffee Noir』は架空の都市Neo-Londonを舞台とするコーヒー販売業シミュレーションだ。本作の世界では1940年に世界のコーヒー消費量が20倍に急増。世界経済を大混乱に陥れるとともに大きく歴史が変わってしまった。プレイヤーは元刑事の私立探偵Arthur Oliverとなり、消えたコーヒー富豪を探すため、2021年のNeo-Londonでコーヒービジネスに打ち込むのだ。
本作のストーリーについてはアメリカン・コミックを読み進めるような形式のパートで語られる。私立探偵であるArthurがコーヒーセールスマンと化した理由なども、そうした描写にて紹介される。本作は表題の「Noir(ノワール)」という言葉の通り、いわゆるノワール映画や小説のような、犯罪や死の絡む陰の濃い物語を展開するようだ。愛する女性の死や大富豪の失踪など、重いテーマに挑むArthurの物語も見どころのひとつだろう。
一方で、ゲームプレイは本格派のターンベース経営シミュレーションとなっている。プレイヤーはコーヒーの生産や従業員の割り当てを一手に引き受け、クライアントと交わした契約通りのブランドおよび数量のコーヒー豆を、毎週納品しなければならない。本作開発元DOJIは教育用途のゲームを手がけており、過去に『Coffee Noir』と主人公を同じくするビジネストレーニング用ゲーム『Cafe Manager』および関連教育サービスを法人向けに提供している。そのため、本作についてもリアルな経営シム要素が多数盛り込まれているのだ。
プレイヤーは従業員の能力やコンディションに合わせた、適材適所の人材管理をしなければならない。ほかにも顧客の要求や在庫の管理、そして製品の大量生産による量産効果までも勘案に入れた経営戦略が必要となる。商売相手となるクライアントとの交渉もプレイヤーの仕事であり、少しでもこちらが有利になるよう売却単価交渉に臨むのだ。交渉パートはテキストベースで展開され、選択肢によってクライアントの心証が変化する。また、各クライアントは大富豪失踪に関わる“容疑者”でもあるのだ。プレイヤーはビジネスと捜査の両面で、クライアントとの真剣勝負に挑むことになる。
本作開発元のDOJIおよびNAOS Softwareはいずれもポーランドを拠点とする企業。前述の通り、DOJIは教育用途ゲームを手がけているメーカーであり、同社創設者のSzymon Truskolaski氏はヴロツワフ経済大学にて助教授を務めている人物だ。また、DOJI公式サイトのチーム紹介ページを参照するに、同社ゲームデザイナーなど複数名が博士号を持っている。教育のゲーム化を掲げる同社が、『Coffee Noir』でどのような体験を届けてくれるのか興味深い。
『Coffee Noir』はPC(Steam)向けに9月30日発売予定。同ストアページにて体験版も配信されている。