『クッキークリッカー』Steam版アプデで“外部ツール使用”がやりやすくなる。Steamでも自動クッキー焼きはウェルカム

 

放置ゲーム『Cookie Clicker(クッキークリッカー)』Steam版にて9月7日、バグ修正を中心にしたパッチバージョン2.042が配信された。本稿はその性質上、『クッキークリッカー』に関するネタバレが含まれるためご注意されたい。

『Cookie Clicker』は、OrteilことJulien Thiennot氏とOpti氏ふたりからなるスタジオ、DashNetによって2013年にブラウザ向けにリリースされた作品だ。Steam版はブラウザからの移植であるため、いくつかの不具合が発生していたようだ。今回のパッチについては、そうした不具合の修正するものとなっている。


まずは、自動クリック導入時に発生しうる、オーディオに起因するメモリリークが修正された。つまり、Modなどを利用して猛烈な勢いでクッキーをクリックした場合、ゲームのパフォーマンスに支障が出る問題があり、それが修正されたのだ。自動クリック自体はゲームの要素としては含まれておらず、人によってはズルやチートとも受け取れる行為だ。にもかかわらず開発元が自動クリックに関する不具合修正を提供する背景には、同作が外部ツールや自動化スクリプトと共に歩んできたという歴史がある。

ブラウザ版『クッキークリッカー』の公開と人気の爆発の後には、クリック連打ツールなどを用いてクッキーを大量生産するユーザーも現れ始めた。また、ユーザースクリプトやブラウザ拡張機能というかたちで、同作向けの自動化・効率化ツールが多数登場した。クッキーを大量に効率よく焼く手段は、一部ユーザーに定着。開発元も、あきらかに人間の手では不可能な速度でのクリックを認識すると解除される実績「奇怪なクリック」を実装したり、ユーザーによるスクリプト制作を助ける「Modding API」を実装し環境を整備したりと肯定的な態度を見せている。ランキングや対戦モードがあるわけでもない『クッキークリッカー』における外部ツール使用やゲーム改変は、開発元公認といえるのだ。

もちろん、頑なに「手焼き」を守るスタイルのユーザーも存在する。それぞれが好みの環境でプレイできるのも同作の魅力だろう。なお、本作のSteam版はModをサポートしており、後日Steam ワークショップを利用してのインストールにも対応予定だ。Modでは自動化のみならず、画像やテキストの差し替えなど広範な改変も可能になるため、バラエティ豊かなModが登場しそうだ。


今回のパッチではSteam版において発生していた「ミルク関係」の実績の不具合が解消されている。これはゲーム画面上のクッキーをミルクに被せることによって発生する取得できる「クッキーをミルクに浸す者(Cookie-dunker)」だと思われる。こちらは本作経験者には比較的よく知られる実績のため、Steam版でクッキーをミルクにダンクしようと四苦八苦したユーザーも多いのではないだろうか。本作の実績はクッキーの生産ボーナスにも繋がるため、死活問題が解消されて一安心というところだ。

ほか、修正された不具合は以下のとおり(公式パッチノートより):
・建物関係のフォーチュンアップグレードが機能しない
・オプション項目のON/OFF表示が間違っている
・ゲームが正常に終了しない
・音楽再生にまつわる問題
・ShiftキーとTabキーの同時押しでSteamオーバーレイ利用時に、建物の複数購入に発生する問題
・ゲームがWindowsメディアセンターに干渉してしまう
・スクリーンリーダー(画面読み上げ)モードがリソースを消費するためオプションで切り替え可能に

『クッキークリッカー』はPC(Steam)向けに配信中。「手焼き」派も「自動焼き」派も、より安心してクッキー生産に従事できそうだ。