放置ゲーム『クッキークリッカー』リマスターSteam版配信開始。新要素が搭載され、ブラウザ版からのセーブインポートも可能
インディー開発者のOrteilことJulien Thiennot氏およびパブリッシャーPlaysaurusは9月2日、放置ゲーム『Cookie Clicker(クッキークリッカー)』をPC(Steam)向けに配信開始した。価格は520円で、ブラウザからのセーブデータインポートに対応する。
『クッキークリッカー』は、開発者のJulien Thiennot氏および事務やマーケティングを担当するOpti氏によって運営されている、いわゆる放置系ゲームだ。ブラウザゲームとして2013年にリリースされた本作は大きな人気となり、モバイル向けにも展開された。「ただクッキーを焼き続ける」というシンプルなコンセプトながら、画面クリックなどで焼いたクッキーを設備投資し、自動化と効率化を推し進めるゲームループは一部ユーザーを中毒にする魅力がある。本作については2013年以降も継続的に更新され、現在では600種類以上のアップグレードやドラゴン育成要素、ミニゲームなどの多数のコンテンツが実装されている。
本作が浸透した後には、ひたすら数字や物品を増やすゲームが国内で「クッキークリッカー系」として定着したほか、海外では「Incremental Game(インクリメンタルゲーム)」としてひとつのジャンルになっている。同ジャンルファンにとっては金字塔ともいえるタイトルであり、Steam版リリースから間もない記事執筆現在でピーク時同時接続者数は1万4000人を突破。クッキー焼き中毒者の多さを知らしめる好調な滑り出しとなった。
Steam版の内容については基本的にはブラウザ版と同一ながら、独自の要素も実装されている。まずは、日本語含む12言語へ対応した。そしてSteam Cloudを利用したクラウドセーブに対応し、『マインクラフト』の楽曲を担当したことで知られるC418氏による、癒やし系BGMが追加されている。ほかには「恐ろしい描写」のON/OFF機能も追加されている。本作に一部存在するコズミックホラー的描写を軽減する機能だと思われる。
ほかの機能としては、ゲーム内でのModサポートが追加されている。Steam版ではModをゲーム内のオプションから読み込んで有効/無効化することが可能になっており、Mod間の衝突や関連性の管理も比較的容易になった。ブラウザ版にもModding APIとしてゲームの改造を助ける仕組みが存在していたものの、さらに利便性が増したかたちだ。ModはJavaScriptで記述されており、サンプルも同梱されている。経験者にとっては制作のハードルは比較的低い印象であり、今後Steam Workshopへの対応も視野に入っていることから、Mod開発シーンの盛り上がりが期待される。
『クッキークリッカー』の今後の追加コンテンツについては、ブラウザ版とSteam版で同じものを実装するという。Steam版は現在Windowsのみでの動作となっているものの、開発元はMacへの対応に取り組んでいるといい、余裕があればLinuxへの対応も進めていくそうだ。次回追加コンテンツとしては、「Dungeons (ダンジョン)」にまつわるミニゲームを予定している。
なお、パブリッシャーのPlaysaurusは『Clicker Heroes』などの人気放置ゲームを開発したことで知られている。本作が同スタジオから発売されたのも、放置系ゲーム開発の縁かもしれない。
『クッキークリッカー』はPC(Steam)向けに520円で発売中だ。