独裁国家運営シミュレーション『トロピコ5』Steam版が、7年越しに日本語正式対応。PlayStation 4版も販売権が移行

カリプソメディアジャパンは9月1日、『トロピコ5(Tropico 5)』PC(Steam)版を本日より日本語に対応すると発表した。音声/字幕の日本語対応が予定されているという。

カリプソメディアジャパンは9月1日、『トロピコ5(Tropico 5)』PC版を本日より日本語に対応すると発表した。アップデートにより、プロパティの言語タブ内に日本語が登場。言語を切り替えてみたところ、日本語字幕/音声でプレイできた。あわせて、ストアページも日本語対応となっている。昨年末に無料配布が実施されたEpic Gamesストア版では、公式な手段による日本語化が可能。Steam版においても、有志日本語化Modを含めて日本語化の方法が存在していたが、公式に日本語に対応されるわけだ。また、本作の国内向けPlayStation 4版はスクウェア・エニックスからリリースされていたが、9月1日からは販売権が変更され、カリプソメディアジャパンから販売されている。
【UPDATE 2021/9/1 16:30】
アップデートが配信され、日本語が追加された旨を追記


『トロピコ5』は、Haemimont Gamesが開発し2014年にリリースされた、独裁国家運営シミュレーション『トロピコ』シリーズのナンバリング5作目である。本作の舞台は、カリブ海に浮かぶ小さな島国だ。プレイヤーは、同国に君臨するプレジデンテ(大統領)として、国家を運営する。島の開発を進めて雇用を創出したり、資金をスイスの口座に隠したり、選挙で不正を働いたりなど、プレジデンテは島内では権力を使って自由に振る舞える。

ただし、植民地時代には宗主国との関係、独立後は国民からの支持率が悪化すると、独裁政権は終わってしまう。長期的に独裁者として君臨するためには、宗主国の顔色や国民の幸福度にも気を配りつつ国家を運営する必要があり、強権を持ちながら苦労が耐えない独裁者の視点も描かれている。本作では、『トロピコ』シリーズでは初めてオンラインマルチプレイにも対応。同じ島を共有し、オンライン上のほかのプレジデンテと協力/対戦ができる。


本作では、リリース当初からSteam版は日本語に非対応。有志による日本語化Modが作成されていたものの、一時は日本語化できない状態となっていた。またPlayStation 4/Xbox 360向けには日本語版が販売されていたほか、昨年無料配布が実施されたEpic Gamesストア版では公式による日本語化ファイルが配布されるなど、ストアやプラットフォームごとに状況が違っていた。9月1日に正式に日本語対応を果たしたことで、ほかのプラットフォームなどと同様、Steam版も日本語でプレイ可能となったわけだ。

前述のとおり、『トロピコ5』は2014年にリリースされた作品であり、シリーズ作品としてもすでに『トロピコ6』が発売されている。そのため、7年前の作品の日本語対応は不可解に思えるかもしれないが、こうした動きの裏にはカリプソメディアジャパンの存在があるだろう。

カリプソメディアジャパンは2020年10月に設立された、『トロピコ』シリーズのパブリッシャーであるカリプソメディアの日本オフィスだ。同社は弊誌の過去のインタビューで、カリプソメディアのSteamタイトルについて「日本向けのPC版はきちんとケアされていなかった部分がありました。今後は日本オフィスとしても、一つの重要なプラットフォームとして、PC版を扱っていこうと考えています」と回答。2021年6月には、日本語対応において紆余曲折があった『トロピコ6』Steam版が正式に日本語対応を果たした。

またすでにSteamで配信されている『ポート ロイヤル4』も、9月2日の国内版発売にあわせて日本語対応が発表されているなど、同社のSteam版タイトルの日本語対応が徐々に進められてきた。今回の『トロピコ5』の日本語対応も、同社のSteam版における日本ユーザーに対する取り組みの一環であるわけだ。また今後の予定としては、タクティカルRPG『ディサイプルズ リベレーション』国内版の11月25日のリリースが発表されており、10月22日から配信予定のSteam版も11月25日より日本語に対応予定となっている。


『トロピコ5』Steam版は9月1日より日本語に対応し、通常価格2198円で販売中だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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