『サイバーパンク 2077』開発元が、Mod制作支援ツール開発者を雇用へ。Modサポート強化と不具合修正に期待集まる

 

CD PROJEKT RED(以下、CDPR)の人気作『サイバーパンク2077』について、同作Mod開発者がCDPRとの公式な開発協力について発表した。事実であれば同社によるコミュニティMod制作サポートの強化が期待される。



Mod開発者のHambalkó Bence(Traderain)氏は8月30日、Discord上の『サイバーパンク 2077』のMod開発コミュニティ「Cyberpunk 2077 Modding Community」にてCDPRへの開発協力について発表した。同氏の発表によれば、Mod開発者のBlumster氏、Robert Fuzzo氏、Köte Ákos(Nightmarea)氏、そしてBence氏自身の4名が、CDPRのもとで『サイバーパンク 2077』のバックエンド(ユーザーから見えない処理)およびModサポート関連の開発に携わるという。なお、上述の4名はBence氏 および Ákos氏が共同設立した技術開発企業YigsoftとしてCDPRに協力していくようだ。

「Cyberpunk 2077 Modding Community」は2万名を超えるメンバーを擁する大型コミュニティ。Bence氏およびFuzzo氏は同コミュニティのモデレーターを務めている。また今回開発協力にあたるという4名はいずれも、『ウィッチャー3 ワイルドハント』および『サイバーパンク 2077』向けのMod制作支援ツール「WolvenKit」のコントリビューターだ。また、CDPRはMod開発に肯定的であり、公式に『サイバーパンク 2077』Mod開発者向けのツールを提供するなどの取り組みをしている。そのため、同社が実績のあるMod製作者を開発側に迎える動きは納得いくものだ。ただ記事執筆現在、CDPR側からの公式発表はない点に留意したい。

上記4名とCDPRとの連携によって期待される業務内容としては、まず公式Modサポートの強化が挙げられる。また、『サイバーパンク 2077』Modコミュニティからは、同作の不具合を改善するModなどもリリースされており、コミュニティサイドからの研究による知見がバグ潰しに活かされることも期待できる。海外ゲームジャーナリストTyler McVicker氏は、自身のTwitterアカウント上の投稿で今回の動きに触れ、雇用されたMod開発者チームはCDPRにおいて「公式なModサポートと不具合修正に関する業務」にあたるとしている。Modサポート強化だけでなく、同作において課題とされている不具合面についてもさらなる改善が見込めそうだ。



上述のDiscordサーバー上では、CDPRとの公式な連帯について「Modへの制限が強まるのではないか」という旨の懸念を示すユーザーも存在する。返答としてFuzzo氏は「CDPRはModコミュニティに理解があり、(同Discordサーバー)創設時から開発側とは良い関係が築けている」との見解を示して、CDPR側が締め付けを強化するような様子はないとしている。


ゲーム開発元がMod開発者を迎え入れた例としては、『Fallout』シリーズ開発元のBethesda Game Studiosが『Fallout 4』向け大型Mod「Fallout: London」のメインライターを雇用した例が記憶に新しい(関連記事)。Mod開発者は、ゲーム開発元とプレイヤーの中間に位置する存在ともいえる。コミュニティの視座を持つ開発者を迎え入れることで、ゲームのさらなる改善に繋がる可能性はあるだろう。『サイバーパンク 2077』のゲームプレイが今後さらなる広がりを見せることに期待したい。