『フォートナイト』キング牧師イベントにおいて、一部を除くエモートが無効化。牧師にトマト投げはダメ、絶対
『フォートナイト』にて、現在開催中のイベントにおいて一部を除くエモートが無効化されているようだ。同作では8月26日より、「March Through Time」イベントを開始している。同イベントは、1963年の公民権運動およびマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師にフィーチャーしたものだ。イベントに参加すると、プレイヤーは専用マップ「D.C. 63」へとテレポート。ワシントンD.C.を再構成したマップが広がっており、キング牧師が人権についての演説をおこなったリンカーン記念堂や、ナショナル・モールを訪ねることができる。当時の写真が展示されたミュージアムを見て回ったり、ほかのプレイヤーと協力するミニゲームを遊んだりすることが可能だ。
そして目玉はずばり、キング牧師の演説だ。「私には夢がある」というフレーズでよく知られる演説の内容を、フルバージョンで聞くことができる。画面には演説映像がインサートされているほか、マップの中央に巨大なモニターも設置。大画面で、当時のキング牧師の言葉に耳を傾けることができるのだ。
ところがこうしたなか、Epic Gamesは8月28日にイベントにまつわる変更を発表。March Through Timeイベントにおけるエモートを、一部を除いて無効化したことを明かした。利用可能なエモートは座る動作など、8種類にとどまるとのこと。
海外メディアKotakuが報じるところによれば、実はEpic Gamesはイベント開始に先だっても、事前に不適切な可能性のあるエモートやおもちゃアイテムを一部無効化していたという。代表的なものとしては、トマトが挙げられる。こちらは装備しておくことで、野菜のトマトを投げて相手にぶつけることができるいたずらアイテムだ。
実は同アイテムは、昨年のイベント中に問題となったことがあった。2020年に開催された「We The People」イベントでは、各業界の著名なBIPOC(黒人、先住民族、有色人種)の人物が登場。パーティーロイヤルに設置されたビッグスクリーンで、こうした人々の演説を視聴することができた。しかし一部のユーザーが先述のトマトを悪用。モニターにトマトをぶつけるなどのヘイト行為をおこなっていたことが問題視された。今回のキング牧師イベントについても、同様にトマトの悪用を懸念する声は存在。そのためEpic Gamesは事前に手を打ち、トマトの使用を禁じていたようだ。
しかし「March Through Time」イベントでは、ほかの手口を使った悪ふざけも存在していたようだ。すでに、キング牧師のモニターの上に乗って踊り狂うなど、素行の悪いプレイヤーが目撃されている。Epic Gamesがほぼすべてのエモートをイベント中に禁止した措置については、こうしたエモートの侮辱的な使用を許容しているととられることを防ぐ意図があっただろう。
ちなみに今回制限の課されたMarch Through Timeイベントではあるが、今のところスキンについては特に制約がない。一部では、映画「エイリアン」のゼノモーフが公民権運動を学ぶといったシュールな光景も生じているようだ。教育的な意義が深いながらも、ちょっと奇妙な側面もある本イベント。一定条件クリアでスプレー「D.C. 63」がアンロックできるため、興味があれば覗いてみるといいだろう。