来月9月9日に国内発売、10日にグローバル発売を迎える『テイルズ オブ アライズ』について、ある噂を否定する声明をバンダイナムコエンターテインメントが発表した。その噂とは、「PlayStation 4/PlayStation 5版の『テイルズ オブ アライズ』のみ、性表現がソニー・インタラクティブエンタテインメントによって規制されている」とする流言だ。
『テイルズ オブ アライズ』は、バンダイナムコスタジオが開発し、バンダイナムコエンターテインメントが販売するJRPGだ。隣り合う二つの星ダナとレナを舞台にしており、自然あふれる惑星ダナは、魔法や技術が高度に発展したレナから襲撃を受け隷属を余儀なくされている。そんななか、ダナで奴隷として労働する鉄仮面の青年アルフェンと、レナで同族から追われ逃れてきた女性シオンが出会ったことで、二つの星の運命が大きく動き出すこととなる。公称ジャンルとして「心の黎明を告げるRPG」を謳う本作は、PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam)での展開を予定している。
発売が迫るなか、海外の一部コミュニティでは、PS4/PS5版における『テイルズ オブ アライズ』の内容についてあらぬ噂が立ち上がった。PS4/PS5版では一部の性的な示唆を含む表現が変更・削除されており、Xbox One/Xbox Series X|S/PC版とは内容が異なっていると指摘されたのだ。制限が及んだとされている箇所は多岐に渡り、「全女性キャラクターのコスチュームが性的に控え目なものに抑えられている」「ほかプラットフォームでは存在する温泉のシーンが、PS4/PS5版では完全に削除されている」といった“検閲”箇所が複数にわたり列挙されている。こうした噂はインターネット上の一部で広まっており、Steamにおける『テイルズ オブ アライズ』コミュニティにおいても同様のスレッドが立ち上がっている。
こうした動きを受け、バンダイナムコエンターテインメントはドイツのメディアXboxDynastyに対して声明を発表。同作がPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/PCで発売されると前置きしつつ、『テイルズ オブ アライズ』のすべてのバージョンは同じストーリーと機能を含んでおり、いかなる規制も受けていないと明かした。「PSプラットフォームのみ規制を受けている」とする噂を完全に否定したかたちとなる。
今回の噂は、かつて一部のPS向け作品にて、性表現が抑えられた事例から生じたものかもしれない。2018年に発売されたカプコンの『デビル メイ クライ 5』にて、女性キャラクター・トリッシュの裸体表現について、アップデートにより規制が加えられたケースが存在する。同シーンは、Xbox One/PC/国内PS4版においてはトリッシュの臀部がはっきり認識できるかたちで裸体が描かれたのに対し、米国・欧州PS4版においては、同シーンで強烈なレンズフレアがかかり、裸体がくっきりとは確認できないかたちに変更されていることが報じられている(Kotaku)。
また最近のPSプラットフォームでは性表現が抑えられやすいという言説は根強く、たとえば『LoveR Kiss』のPS4版はNintendo Switch版と比べて、胸揺れや下着の表現が抑えられている。2019年には、SIEがPS4向けタイトルに対して独自の規範をもって性的表現を規制する方針を設けていると、ウォール・ストリート・ジャーナルより報じられたこともある(関連記事)。
とはいえ、そうした事例があるからといって、『テイルズ オブ アライズ』にもプラットフォーム特有の規制がかけられているとは限らない。『テイルズ オブ アライズ』はダウンロード版のUltimate EditionおよびDeluxe Costume Editionの特典として、水着コスチュームの追加を全世界向けに発表している。そしてコスチュームの外観は、これまでに公開されてきた情報を見る限り、各プラットフォームにて相違ない。こうした事実から見ても、PS4/PS5版『テイルズ オブ アライズ』のみ規制を受けているとする説は、もとより信ぴょう性の低いものであった。
『テイルズ オブ アライズ』は9月9日、PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに発売予定。いずれのバージョンを選んでも内容に変化はないとのことなので、好きなプラットフォームを選択しよう。