不穏かわいい遊園地づくり『exp!A』配信開始。丹念なピクセルグラフィックで描かれる、“やわらか絶望系”フリーゲーム


国内デベロッパーN-Lab.は8月6日、箱庭RPG『exp!A』を配信開始した。本作はフリーゲームとして、PC(ふりーむ!/BOOTH)向けに配信中だ。可愛いらしくもどこか影の差した世界のなかで、さまざまなキャラクターとの交流が楽しめる作品となっている。


『exp!A』は、開発元いわく「やわらか絶望系フリーゲーム」である。ゲームプレイはキャラクターとの交流やキーアイテムの探索を中心としており、軸としてはアドベンチャーゲーム寄りという印象だ。パステルカラーを中心にしてふんわりと描かれたピクセルグラフィックはまさに「やわらか」で、キャラクターたちも愛らしくデザインされている。

一方で、ゲームの冒頭はたしかに不穏さを感じさせるものだ。プレイヤーは、正体不明の相手が必死で訴えかけるオープニングを経た後に、記憶喪失の主人公エリヤとして目覚めることになる。そして主人公は、謎めいた少年アシュに導かれ、世界がどうなっているのか、自分が何者なのかも把握できないまま遊園地づくり」励むことになる。


遊園地づくりのシステムは、拾得したキーアイテムを使い、メニューから各所をアップグレードするシンプルな形式になっている。カスタマイズ要素は花壇の花を好みに植え替えるなど限定的であり、すべて自由に設計できるわけではない。しかしながら、丁寧に描かれたピクセルグラフィックで充実していく遊園地の各アトラクションは、歩き回るだけでも目に楽しい印象だ。

プレイヤーは前述のアシュおよび、遊園地各所に点在するNPCたちとの交流を楽しめる。いずれのキャラクターも念入りにデザインされている印象で、何気ない会話にもそれぞれの性格が反映されている。また、遊園地づくりが進むごとに、本作の世界のあり方を少しづつ明らかにする会話シーンが挿入される。そうした重要な会話は、やはり一抹の不穏さを感じさせつつもプレイヤーの興味を引くものとなっている。


本作におけるゲームプレイの主軸はかなりシンプルな仕組みの「遊園地の発展」だ。しかし、作中でプレイヤーを牽引しているのは、キャラクターたちとの交流や、謎めいた世界への好奇心であると感じた。開発元N-Lab.は過去にも“ちょっと不穏”ながらかわいいピクセルグラフィックのゲームを複数手がけており、ふりーむ!およびBOOTHにて公開している。本作のスタイルが気に入った方は、そちらの諸作に触れてみるのもよいだろう。


『exp!A』はPC(ふりーむ!/BOOTH)向けに現在配信中。今後はブラウザ版とAndroid版の公開も予定しているとのこと。