ゲーム開発スタジオThat’s No Moonは7月28日、会社設立を発表した。カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とする同スタジオは、AAAタイトルを手がける大手ゲーム会社からベテランクリエイターが集結して立ち上げた、気鋭の集団だ。
That’s No Moonは、新規AAAタイトルの開発を目指すゲームスタジオだ。同スタジオは初作を手がけるにあたり「魅惑的なシングルプレイ三人称視点アクションアドベンチャー」というテーマを掲げている。資金についても、すでに韓国のゲーム企業Smilegateよりパートナーシップとして1億米ドル(約110億円)の融資を受けており、順風満帆での滑り出しとなっている。
同スタジオの設立者は4名で、いずれも実績あるベテラン。まず、CEOを務めるMichael Mumbauer氏は、PlayStation機向けタイトルのシネマティック制作協力や『The Last of Us Remastered』制作の影の立役者とも言われるスタジオ、PlayStation Visual Arts Service Groupのスタジオヘッドを13年以上にわたり務めた人物だ。
続いて、CSOを務めるTina Kowalewski氏は、ソニーのゲーム事業部において初代PlayStationのリリースに携わった人物。開発を指揮したタイトルとしては『Journey』や『ゴッド・オブ・ウォー 降誕の刻印』などが挙げられ、ほかにもSIEサンタモニカスタジオで多数タイトルに携わった。CCOと同スタジオ初作のクリエイティブディレクターを務めるのはTaylor Kurosaki氏だ。こちらはかつてInfinity Wardでナラティブディレクターとして、『Call of Duty: Modern Warfare(2019)』や『Call of Duty: Infinite Warfare』などを手がけた経歴の持ち主となっている。
そして、COOを務めるNick Kononelos氏だ。同氏は、Electronic Artsにてシニア開発ディレクターとして『Need for Speed』や『Madden NFL』シリーズなどを手がけた経験がある。また、ソニーではシニア制作マネージャーとして『アンチャーテッド』、『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズや『The Last of Us』などに携わった人材だ。これらの共同設立者たちはクリエイティブから管理まで、AAAタイトル開発について豊富な知識を持つメンバーだと言えるだろう。
That’s No Moonには、ほかにもBungieなど大手スタジオに在籍経験を持つ才能たちが約40名ほど在籍しているとのことだ。また、同スタジオはロサンゼルスおよびサンディエゴの両拠点でのスタッフ募集もおこなっている。スタジオ公式サイトによれば、2022年までに在籍開発者100名への増員を目指しているそうだ。
資金、人材ともに強い基盤のもとにAAA級タイトル開発に乗り出すThat’s No Moon。サイトで語られる理念からは、物語性豊かなゲームへの強いこだわりが感じられる。同スタジオがどのようなタイトルでゲーム界に切り込んでいくのか、嗜好が合うゲーマーにとっては大きな楽しみになりそうだ。