人気位置情報ゲームアプリ『Pokémon GO（ポケモンGO）』において、「レイドボスはボールを投げれば投げるほど捕獲率が上がる」という海外ユーザーによる調査結果が発表された。伝説ポケモンなどの捕獲率に光を当てる同調査は、レイドボス捕獲時の戦略を変えうる興味深い内容となっている。
『ポケモンGO』におけるレイドバトルは、強力なポケモンを複数プレイヤーで倒すアクティビティだ。低難易度においてはソロ（単独）でのクリアも可能ながら、伝説ポケモンなどを対象にした高難易度のものになれば協力と対策はほぼ必須。クリアしたその先にはさまざまな報酬が待っているほか、倒したレイドボスを捕獲する「ゲットチャレンジ」の機会が得られるのも、レイドの魅力のひとつだ。
しかしながら、レイドボス、特に伝説ポケモンの捕獲率はかなり限られている。公式な数値は公開されていないものの、The Silph Roadコミュニティ/r/TheSilphRoadに投稿された過去のユーザー調査では、伝説ポケモンの基本の捕獲率は、ポケモンの種類に応じて2%から3%前後ではないかという推測が示されていた。今回明らかにされたデータは、そうした確率論に新しい観点をもたらすものだ。
まず、The Silph Roadによる調査の結果を要約すると、前述の通り「投擲数に比例してボールごとのレイドボス捕獲率が上がる」という傾向が見られたそうだ。6500回に及ぶボール投擲のデータを整理したグラフは、9投目および10投目において、1投目に比して約2倍前後の捕獲率を示している。
このデータが何を示すのか、以下に解説する。まず、レイドボスの捕獲率を上昇させる手段はいくつか存在する。たとえば、ズリのみなどの「きのみ」アイテム使用や、カーブボールの投擲、投擲後に表示される「Good」「Excellent」などの評価が捕獲率を変動させる要素となっている。「スーパーボール」や「ハイパーボール」といったボールの種別もその一つだ。しかし、レイドボスに投げられるのは、レイドへの参加賞やダメージ量などレイドボス打倒への貢献によって得られる「プレミアボール」のみとなっている。
The Silph Roadの調査においては、上述のような捕獲率を変動させる要素は「倍率」として計算されている。同調査によれば、レイドにおいてレイドボスを捕獲するにあたって考慮される倍率は「きのみの使用、および種類」、「投擲後の評価」、「カーブボールかどうか」、「対応するタイプメダルのランク」となっている。そこに加えて「投擲数補正」とでも呼べそうな、新たな倍率の存在が示されたのだ。
こうした結果を考慮すると、プレミアボール獲得数の重みも変わってくる。単純に「数撃てば当たりやすい」のも確かながら、投げれば投げるほど当たりやすくなるとなれば、プレミアボール確保へのモチベーションも高まる。「最後の1投」が当たりやすいという認識も、プレイヤーの心構えに影響する点だろう。ほかにも、きのみアイテムの手持ちが心細い場合には、比較的貴重な「金のズリのみ」などは捕獲率の高まる後半に投入するなどの戦略も立てられる。
ただ、厳密に言えば投擲数に比例してレイドボス捕獲率がアップするのは投げた数に比例しているとは限らないようだ。The Silph Roadは「どういった要素が（今回発見された）倍率に影響しているかは不明であり、ボールを投げた数やボールの残数、あるいはレイドボスにボールがヒットした回数や他の要素かもしれない」としている。さまざまな要因が考えられ、投げた数に関係するというのが、あくまで有力な説のひとつとしてあがっている。
ほかに考慮しておきたい点としては、今回判明した倍率についてはレイドボスにのみ適用されるということだ。レイド以外の野生ポケモンなどでは、今回のような捕獲率の上昇は確認できなかったようだ。また、The Silph Roadは、レイドと同じくプレミアボールを使用するシャドウポケモンの捕獲において同様の倍率が機能しているかも興味深い点であるとしており、今後の調査が期待される。
なお、今回の調査はThe Silph RoadコミュニティメンバーのSuperion氏、およびTitleist氏を中心として、多数メンバーの協力のもと実施されたとのことだ。元の調査報告には、捕獲率の計算方法を推測したものが数式などで示されているため、さらに深く今回の倍率について知りたいユーザーはそちらを参照されたい。
伝説ポケモンのゲットに希望をもたらすこの調査は、多くのプレイヤーの心持ちに影響を与えるものだろう。『ポケモンGO』は現在、作品5周年を記念してさまざまなイベントを開催している。今月7月18日の10時から18時には、伝説ポケモンが続々登場する「レイド・デイ」が開催される予定だ。ポケモントレーナーの方は、今回の調査結果を胸に伝説ポケモンのゲットに挑戦してみて欲しい。
