『スマブラSP』新ファイター「カズヤ」には“かろうじて乳首が存在する”。発売までユーザーを惑わせた

任天堂は6月30日、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』新ファイターとして、カズヤを配信した。上半身が基本のカズヤには、乳首が“かろうじて存在”している。

任天堂は6月30日、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、スマブラSP)新ファイターとして、カズヤを配信した。『鉄拳』シリーズから参戦を果たしたカズヤであるが、実装されるまで不明瞭な点が存在した。それはカズヤに“乳首があるかないか”である。乳首ある派とない派両者が存在しており、新情報が出るたびに意見が拮抗していたが、本日答えが出た。カズヤには乳首が“かろうじて存在”している。

カズヤは『鉄拳』シリーズに登場するキャラクターで、本名を三島一八とする。初代と第四作目、そして第七作目の主人公を張るシリーズの顔。はれての『スマブラSP』参戦となった。多彩な技やデビル化、多くの逆転要素など、さまざまな属性が盛り込まれたファイターであるが、やはり気になるのはそのビジュアル。つまるところ、上半身裸の姿である。鍛え抜かれた肢体は見事というほかない。はっきりと割れている腹筋、分厚い胸板、力強い上腕二頭筋。思わず目を見張る。そうした筋肉のちょうど中心部分にあり、肉体美を司るのが乳首である。


『スマブラSP』では、上半身裸で登場するキャラには、それぞれ胸部に乳首が描かれている。『ゼノブレイド』シリーズのシュルクには、海パンカラーがあり、その胸部でうっすら乳首をちらつかせる。セフィロスにも上半身裸のカラーがあり、シュルクよりはっきりと乳首が描かれたことは記憶に新しい(関連記事)。カズヤはそもそも1Pカラーが上半身裸。ならばカズヤの乳首描写にも期待がかかるところだ。どの程度の乳首なのか、乳頭・乳輪まで描かれるのか。結論としては、“ギリギリ存在する”レベルである。

カズヤには、乳首が存在する。しかし、極めて控えめに描かれているのだ。彼の乳首を見るには、いくつもの条件を揃える必要がある。というのも、デフォルトの構えでは、カズヤは乳首を隠しているかのようなポーズになっている。原作尊重ではあるものの、乳首を見せないための描写にもとれてしまうほどガードが固い。ジャンプしても乳首隠しは変わらず、腕を開くようなアクションをすることで、やっと胸全体が確認できる。しかしこれでゴールではない。すぐに腕を開けば乳首が見られるわけではないのだ。


カズヤの乳首は、一見すると発見できない。実のところ、胸筋の影に吸い込まれてしまっている。乳首を見ようとしても、胸筋が邪魔をするのだ。どうすればいいか。角度や光の加減を変えるしかない。明るめのステージを指定し、何度も画面をポーズし、胸部を確認することでようやく、うっすらとした小ぶりなカズヤの乳首が確認できるのである。

『スマブラ』といえば原作再現度の高さに定評があるが、ことカズヤの乳首に限っては当てはまるか怪しい。というのも、『鉄拳7』ではカズヤの乳首はもっと鮮明に描かれているからだ。基本的にどのポーズからでも、乳首が存在すると認識できる。よく見ると乳頭と乳輪の概念も確認ができ、もとのグラフィックがリッチであることを差し引いても、乳首描写としては不足ない。敬意を感じる。一方で『スマブラSP』のカズヤの乳首は色も非常に薄く、申し訳程度にテクスチャを貼ったレベル。乳首であることは確かであるが、彼らが自身を乳首と名乗る権利があるかについては、意見が分かれるところだろう。

『鉄拳7』のリッチ乳首
『鉄拳7』のリッチ乳首


冒頭で述べたように、『スマブラSP』のカズヤの乳首については、実装されるまで存在するかはっきりしなかった。今思い返すと、これほど固いガードがあった以上は、ない派に寝返ってしまうのも無理はない。乳首がないと主張していた彼らを責めることは、誰にもできないだろう。もともと描写控えめであるが、デビル化すると顕著。身体が青白くなるうえ乳首の色が薄いため、たとえ明るい場所であっても、かなり目を凝らさないと乳首を見つけられないのだ。シュルクの乳首も控えめだったが、それを上回る抑圧系乳首である。それゆえに、“ギリギリ存在する”と表現するほかないのである。


『鉄拳7』はCERO C。そして『スマブラSP』はCERO A。レーティングの壁が乳首の表現に影響を及ぼしたと考えることもできる。またそもそもでいえば、シュルクもセフィロスもカズヤも乳首のグラフィック表現自体は同じだが、髪の色が白い関係でセフィロスの乳首だけ明瞭に見えやすくなっているだけの可能性もある。カズヤは肌の色も黒めで、胸筋が厚く、さらに腕を構えているということで、悲劇が重なって乳首が見づらくなっているともいえる。今回のカズヤの“かろうじて乳首”はやや残念であるが、開発陣の頑張りの限界であると解釈し、受け入れるのがよさそうだ。

カズヤの目玉は乳首だけではない。技が大量に用意されているほか、一段目のジャンプが低く二段目は高いなど挙動も独特。とにかくテクニカルな要素が詰められた野心的なファイターだ。カズヤのリッチな乳首は『鉄拳』本編で味わうとして、まずは『スマブラSP』ファイターとしてのカズヤを存分に楽しもう。

『スマブラSP』はNintendo Switch向けに発売中。追加コンテンツである新ファイターのカズヤは、本日6月30日より配信中だ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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