オープンワールド『Sable』、60fpsでの描画に対応。手書きアニメーション風低フレーム用意も、ユーザーからの不満受け変更

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パブリッシャーのRaw Furyは6月19日、オープンワールドゲーム『Sable』デモ版において60fpsの描画対応オプションを追加したと発表した。より滑らかな動きで砂漠の旅路を楽しめるようになったようだ。 
 

 
『Sable』は、広大な砂漠を旅するオープンワールドアドベンチャーゲームだ。対応プラットフォームは、Xbox One/Xbox Series X|S/PCとなっている。主人公は、仮面を被った少女セーブル。彼女はグライディングという通過儀礼を受けるため、荒漠たる惑星を探索する旅へ出る。ホバーバイクで砂の海を駆け、ときに遊牧民と出会い、ときに古代遺跡に迷い込むことも。そうした旅路を経るなかで、セーブルはマスクの下に隠された自分の姿を知っていくこととなる。メビウス作品を彷彿とさせる美しいアートワークや、Japanese Breakfastが奏でる美しい音楽などが印象深い本作。もともとリリース時期は2019年を予定していたが、紆余曲折を経て、今年9月23日に発売されることが発表された。現在、期間限定でデモ版も配信中である。 

独特のヴィジュアルが印象的な本作であるが、そのアニメーション描画についても、こだわりがあることが伝えられていた(関連記事)。というのも『Sable』は、さまざまな理由から30fpsで動作しているのだ。また、ゲーム内のキャラのアニメーションにはややカクつきが見られる。 

これらの理由として、本作のクリエイティブディレクターであるGregorios Kythreotis氏は、2Dアニメーションのような映像に近づけるためであると説明。くわえて、将来的には24fpsで動作させるオプションを用意することも検討しているとした。24fpsというのは、一般的な手書きアニメーションと同様のフレームレート。Kythreotis氏の言葉からは、『Sable』のアニメーションを映像としても独特の風合いに醸し出そうという狙いがうかがえる。 
 

 
ただしこうしたこだわりは、一部のプレイヤーからは好意的に受け取られなかったようだ。Steamのフォーラムでは、「美的センスのためフレームレートを意図的に30fpsに制限する」という選択について多くのユーザーが理解を示しつつも、2021年のゲームを30fpsでプレイすることについて遊びづらさを指摘。高フレームレートを選択できる機能の実装を要望していた。デベロッパーのShedworksはこうした声を受け、より滑らかな60fpsで動作できるオプションをアップデートにて実装したようだ。現在のデモバージョンでは、スムーズに動く砂漠体験を味わうことができる。 

本アップデートに関し、Twitterではユーザーより「ゲームの当初の意図に反するものではないか」との疑問も投げかけられた。これに対し Kythreotis氏が回答。フレームレートについては必ずしも譲れないものではなかったとしている。現に、ゲームは2D風味を強調するため、当初24fpsで設計されていた。しかし開発が進むにつれ、2D感を強調するほかの要素が取り入れられ、フレームレートによる効果の必要性が少なくなっていったそうだ。現状のアート設計で十分に2D風の効果が得られたために、必ずしも全体のフレームレートにこだわる必要がなくなったということだろう。 

このほか最新のホットフィックスでは、設定画面よりカメラのセンシティビティスライダーが利用可能に。また、マウスカーソルの動きがゲームウィンドウ内に制限されるようになった。ほか不具合修正としては、cartographerのショップメニューから出られない問題を解消。バックスペースキー/Bボタンで退出できるようになっている。さらに、ポーズメニューにて、スクリーンを閉じるキーの表示が誤っていたのを修正したようだ。詰み時の対処法についても注意喚起されており、たとえば地形にはまってしまったり、バイクを失ったり、迷子になってしまったりしたときは、キャンプ到達後であれば、マップスクリーンからキャンプへファストトラベルすることで解決できるという。 
 

 
『Sable』はXbox One/Xbox Series X|S/PC(Steam)にて、9月23日に発売予定。現在は期間限定のデモバージョンが配信されている。

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