SFミステリーADV『EDEN.schemata();』発表。円居挽氏の描く、前提ごと変化する謎多きマルチエンディングシナリオ
Why so serious?のインディーゲームブランド「WSS playground」は6月5日、情報番組「INDIE Live Expo 2021」内にて『EDEN.schemata();(エデン・スキマータ)』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。発表にあわせて、Steamのストアページが公開されている。
『EDEN.schemata();』は、SFミステリーADVである。「あなた」が目を覚ますと、博士と呼ばれる首なし死体の前に、アンドロイドのイヴが佇んでいた。イヴは、「また会いましたね、はじめまして」と語りかける。しかし、あなたは何も覚えてはいない。プレイヤーの分身であり、語り手でもある主人公は、自身に関するものも含めて記憶を喪失しているからだ。どこか頼りなく、記憶喪失により信頼できない語り手の主人公。博士殺害の容疑者にして、ヒロインのイヴ。首なし死体と、なぜか女児口調の統合法規インターフェース・ケルも登場。閉ざされた研究室の中、主人公は容疑者のイヴと共に、事件の真相を解き明かす。
本作ではゲームでしか挑めない、新しいミステリの形が描かれるという。主人公は、最初はオーソドックスな探索ADVとして、事件の調査を進める。しかし、新たな事実が明らかになるとUIやゲームデザインが変化。ストーリーとUIが寄り添い、ゲームデザインも変わることで、新鮮な感覚のトリックが展開されるそうだ。動画内には、キーワードを使って事件を推理するようなUIや、「前提ごと変わっていく」という記載も確認できる。推理によって明らかになる事実と、変化するゲームデザインにより、どのようなゲームプレイが待ち受けているのか気になるところだ。
また本作では、繰り返しのプレイによって新たな事実が浮かび上がり、真相へと迫っていくマルチエンディングシナリオが搭載。キャラクターは、すべて手描きのアニメーションで表現されているそうだ。
本作のシナリオは、ミステリー作家として小説「丸太町ルヴォワール」などを執筆し、『Fate/Grand Order』のミステリーイベント「虚月館殺人事件」のシナリオも手がけた円居挽氏が担当している。同氏のコメントによると、本作のコンセプトは「何度も解きなおせるミステリ」。多重解決とはまた違った、ゲームにしかできない謎解き体験が描かれているという。また同氏は、本作の企画当初「先人が散々掘り尽くしたミステリゲームの世界で今更自分にやれることがあるのか?」と疑問をもっていたが、開発が進むにつれて「ゲームでなら理想のミステリを実現できるかもしれない」と考え直したそうだ。円居挽氏の描く、ゲームにしかできない謎解きに期待したいところだ。
ディレクション/開発は、同人ゲームサークルilluCalab.の代表で、元は任天堂にも勤務していたEIKI`氏。キャラクターデザイン/アニメーションは、インターネット上で東方二次創作手描きアニメ作品「【東方手書き】さっきゅんライトでアニメ作ってみた【完成】」などを公開してきたゆたろう氏。サウンドは、TVアニメ「バチカン奇跡調査官」のEDや東方アレンジ楽曲などを手がけてきたRD-Sounds(凋叶棕)氏が担当。粒ぞろいのメンバーで、開発が進められている。
『EDEN.schemata();』は、Steam向けに開発中だ。
【UPDATE 2021/6/7 16:40】
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