ゲーム内のあらゆるカニを紹介する「このゲームにカニは居る?」SNSアカウントが人気。『マリオ』『モンハン』そして『龍が如く』にも
「カニ」は古今東西のゲームでしばしば見られる生物だ。その特徴的な鉤爪から、敵キャラクターの印象が強いカニ。しかし、海ステージの彩りとして配置されたり、食料として登場したり、はたまたカニを主役に据えるゲームもあるなど、活躍は幅広い。そうした、ゲーム中に登場するカニの一切を紹介するTwitterアカウントが、一部のゲーマーコミュニティの人気を集めているようだ。
ゲーム内カニ情報を熱心に投稿しているのは、Twitterアカウント「Does This Game Have a Crab in It?(このゲームにカニは居る?)」。同アカウントは、今年5月28日の初投稿を皮切りに、開設1週間後となる記事執筆現在で1万人以上のフォロワーを集める人気アカウントだ。
投稿内容は、あらゆるゲームに登場する多彩なカニの紹介。敵キャラクターとしては、『モンスターハンター』シリーズに登場する「ダイミョウザザミ」「ショウグンギザミ」といったメジャーなモンスターや、その恐ろしい機動性と遭遇するステージの足場の悪さから、プレイヤーにしばしばトラウマとして語られる『ダークソウルIII』の大蟹といった敵などが紹介されている。
『マリオブラザーズ』にも敵キャラとしてカニが登場している。というのも、同作の設定は「下水から出てくる生き物を駆除する」というものなので、カニ、ハエ、カメなどの生物が敵キャラとして登場するのだ。『スーパーマリオ』シリーズの敵といえばクッパをはじめとするカメ類の印象が強い。しかしながら、以降の『スーパーマリオ』シリーズ作品にも、背景やキャラクターとしてカニが頻繁に登場しているようだ。これは、シリーズの原点に対するリスペクトに由来するのかもしれない。
同アカウントで紹介されている大量のカニを眺めていると気づくのが、その描かれ方の豊富さだ。戯画化/擬人化されたマスコット的な可愛いものから、お中元のカタログで見るような超リアルなカニまで、幅広いカニが多くのゲームに登場しているようだ。ほかにもカニ型の地形やカニのかたちをした岩、「これはエビかザリガニでは?」と思うようなギリギリのラインのキャラまで紹介されている。
「リアル系カニ」の中でも筆者が笑ってしまったのは、『龍が如く』シリーズの一部で登場する「かに道楽」のカニだ。こちらはゲーム内の舞台、蒼天堀に登場する飲食店の看板。実を言えば、蒼天堀は大阪に実在する「道頓堀」エリアをモデルにしており、飲食店「かに道楽」とその特徴的なカニ看板も現実に存在する。地元民にとってはお馴染みの光景が、ゲームとカニを通じて世界に紹介されている様子は面白い。
一方で、「このゲームにカニは居る?」Twitterアカウントでは、カニが登場しないゲームも紹介されている。『アンダーテイル』、『ニーア オートマタ』そして意外なところで『マインクラフト』にも残念(?)ながらカニが登場しないとのこと。もっとも、『マインクラフト』についてはアップデートによって新Mobの追加もおこなわれているため、「ツイート時点では」とされている。また、ユーザーからリプライで「カニをゲーム内に登場させることができるOceancraftというModがあるよ」という情報提供もされている。
カニを主人公とするゲームも紹介されている。物理演算カニ対戦ゲーム『カニノケンカ(英題:Fight Crab)』だ。こちらについては「『カニノケンカ』には(当たり前だけど)カニが登場します」と紹介されている。ほかにもカニ主役のゲームとしては、カニを操作する三人称視点シューター『Crab Champions』が存在する。こちらは投稿では紹介されていないものの、同アカウントからフォローされているようだ。なお余談ではあるが、『Crab Champions』公式TwitterアカウントはUE5の機能テストとしてカニを300万匹描画。その結果を動画としてツイートし、話題となっていた(関連記事)。
カニの何がコミュニティの興味を誘っているのかは、定かではない。しかしながら、筆者も「このゲームにカニは居る?」Twitterアカウントを追っているうちに「カニが居る!」「カニは居ないのか……」と一喜一憂してしまった。カニというひとつの題材の、さまざまな描かれ方を届ける同アカウントは、資料としても興味深いものではないだろうか。
また、同アカウントはコミュニティからの「ゲーム内カニ情報」をTwitterダイレクトメッセージで募集していた。残念ながら、現在は受け付けを締め切っている。ゲーム内カニ情報をお持ちの方、カニ情報が気になる方は、チェックしてみてはいかがだろうか。