Atariの新型ゲーム機「Atari VCS」紆余曲折を経て、米国での一般販売開始が6月15日に決定

 

Atariは6月3日、新型ゲーム機「Atari VCS」の一般販売を、今年6月15日から開始すると発表した。

価格は、ブラックカラー筐体の「Onyx Base System」が299.99ドル(約3万3000円)。筐体の一部に木目パーツを使用した「Black Walnut」とOnyxから選択でき、さらに周辺機器の「Classic Joystick」と「Modern Controller」を同梱する「All-in Bundle」は399.99ドル(約4万4000円)だ。
 

 
Atari VCSは、Atariがかつて販売していたゲーム機「Atari 2600」をベースにデザインされた筐体を採用する新型ゲーム機だ。心臓部にはAMD Ryzen Embedded R1606GおよびRadeon Vegaグラフィクスを搭載し、4K/HDR/60fpsでの出力をサポート。Windows/Ubuntu Linux/Chrome OSをインストールすればPCとして利用することもでき、またメモリやストレージが交換可能であるなど、ユーザーによるカスタマイズ性の高さが特徴である。

対応ゲームとしては、「Atari VCS Vault」がプリインストールされており、Atari 2600時代のクラシックタイトル100本を無料で入手できる。クラシックゲーム・ストリーミングサービス「Antstream Arcade」にもアクセス可能だ。また、ストアでは『Boulder Dash Deluxe』『Danger Scavenger』『Guntech』『Jetboard Joust』などのインディーゲームが販売されており、クラシックゲーム専用機というわけではない。
 

 
Atari VCSは、2017年に「Ataribox」として発表され、のちに改名。老舗ゲームブランドが手がける新型ゲーム機として注目を集めた。そしてAtariは、クラウドファンディングサイトIndiegogoを通じて、約1万1000人から約3億2600万円の開発資金を調達。ただ、予告していた出荷時期を何度も延期し、またプロジェクトの重要人物が賃金不払いを理由に離脱したと報じられるなど、不穏な空気が漂うことも珍しくなかった(関連記事)。

出資者が不安を募らせるたびに、AtariはAtari VCSの製造現場の写真を公開するなど、プロジェクトは順調であるとアピール。また、先述したAntstreamなどとの提携も発表。そして当初予定からはかなり遅れたが、昨年12月から出資者への製品の出荷を開始し、今回一般販売の開始日が決定した。
 

 
Atari VCSは、公式サイトでの直販のほか、GameStop、Best Buy、Micro Centerといった米国の小売店にて販売予定。PCやモバイルデバイスにも対応する、周辺機器のコントローラーも同時発売される。日本から直接購入できるのかは不明だが、興味のある方はチェックしておこう。