ゲーム内バグ取りRPG『tERRORbane』発表。開発者と二人三脚のバグハント

 

イタリアを拠点とするデベロッパーBitNine Studioは6月2日、バグに巻き込まれるRPG『tERRORbane』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)/海外Nintendo Switchで、リリース日は未定。メタ要素と大量のユーモアを盛り込んだ異色作だ。
 

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『tERRORbane』のコンセプトはちょっと特殊だ。というのも、本作でプレイヤーはバグに巻き込まれつつ、時にはバグを活用してゲームを進めていく。日本のRPGに影響を受けたというビジュアルや、コマンド式戦闘シーンは馴染み深いもの。しかし、実際の内容は「第四の壁」をブチ壊す、メタ要素満載のものとなっているようだ。

プレイヤーは主人公である伝説のヒーロー「Terrorbane(テラーベイン、意訳すれば“恐怖を倒すもの”)」となり、悪者を打ち倒すことになる……というのは建前。タイトルは見ての通り、「ERROR(エラー)」が大文字となっている。すなわち、プレイヤーは「tERRORbane(バグを潰すもの)」として開発者と二人三脚のバグ取りに奔走することとなる。
 

 
ゲーム内には、Steamストアページいわく「友好的でちょっとうぬぼれ屋」な開発者も登場。ゲームの内容には自信満々のようで、「あんた、いまイントロをスキップしたな!?」など、プレイヤーに直接話しかけてくる。しかし、本人もゲーム内に溢れるバグに自覚はあるようで、プレイヤーにバグ取りへの協力を仰いでくるのだ。ストアページなどで「このゲームにバグはありません!」と述べられているのは、一種のメタジョークとなっている。

本作のトレイラーやストアページでは、「いきなり横スクロールゲームになる」、「ゲームオーバー画面を力ずくのボタン連打で止める」、果ては「開発者コンソールから設定をいじる」など、飛び道具じみたゲームプレイが見られる。内容としては、額面通りのRPGではなく、パズルやアドベンチャーゲームに近いものになりそうだ。歩けばスプライトが剥がれ、時にはゲームが(疑似)強制終了するこの世界。プレイヤーと開発者がいかにバグと格闘していくのか、興味をそそる内容となっている。
 

 
なお、本作の中には名作ゲームにまつわる大量のオマージュも含まれているとのこと。そもそもUIやキャラクターのデザイン自体が「どっかの国産RPGで見たな」という印象なのは、意図的なもののようだ。ほかにも「画面からはみ出すほど身長が高いバンパイア貴婦人」など、さまざまなゲームジャンルの引用ジョークが盛り込まれているようだ。

メタジョーク中心のユーモアと、ひねりのあるゲームプレイが魅力的な本作。第四の壁をぶち破るようなゲームのファンにとっては、注目の価値があるのではないだろうか。『tERRORbane』はPC(Steam)/海外Nintendo Switch向けに配信予定。Steamストアページの配信予定日は「Coming Soon(近日登場)」となっている。