『レインボーシックス シージ』Y6S2詳細発表。回復系の新オペレーター「Thunderbird」の登場や、死体非表示化・弾痕ピーク撤廃など


Ubisoftは5月23日、タクティカルFPS『レインボーシックス シージ』最大のeスポーツ大会「Six Invitational 2021」において、イヤー6シーズン2「NORTH STAR」の詳細を発表した。新しい防衛オペレーター「Thunderbird」は回復ガジェット「コーナステーション」を持ち、古参マップ「ファベーラ」はカジュアルリワークによって外壁の多くが破壊不可能になる。そのほかにも防弾ガジェットやバレルアタッチメントの調整により、ゲームプレイがより快適になる見込み。テストサーバーへの実装は現地時間5月25日だ。



新オペレーター「Thunderbird」

本稿画像は「Rainbow Six Siege: Year 6 Season 2 North Star Reveal」動画よりキャプチャー


北プレーリーに根ざす先住民族「ナコダ族」地域出身のミナ・“Thunderbird”・スカイは、「コーナステーション」と呼ばれる設置型のガジェットを3つ所持している。これはガジェットの効果範囲内に入ったオペレーターの体力を30回復するというものだ。効果発動時、効果範囲内に複数のオペレーターがいる場合は、体力の低いオペレーターが回復される。また、仮にオペレーターのHPが上限にあってもオーバーヒールされ、その分のHPはDocのスティムピストルと同じく、時間経過で徐々に減っていく。この回復効果は防衛側オペレーターだけでなく、攻撃側オペレーターにも適用される。さらに、負傷状態のオペレーターを蘇生することも可能だ。一度起動するとクールタイムを経て再び効果を発揮する。コーナステーションは銃撃や近接攻撃、爆発物で破壊することができ、EMPによって一時的に無効化することもできる。


実戦的な用途としては「耐え」の防衛を、より強固にすることが想定される。「カフェ・ドストエフスキー」の3階のL字や、「領事館」の非常階段といった、攻撃側の時間とガジェットを削るためにキープしたい位置では、コーナステーションを集中的に置くことで積極的に撃ち合いに行くことができる。また、序盤にローミング(遊撃)で削られた仲間を回復するために一時的な拠点のような使い方をしても面白いだろう。その際には攻撃側の前線にも注意したい。


ロードアウトは、メインウェポンにSPEAR.308とSPAS-15、サイドウェポンにQ-929とBearing-9を持ち、サブガジェットにはインパクトグレネードとニトロセルを選択できる。特にSPEAR.308は攻撃側オペレーターであるFinkaの持つアサルトライフルと同じであるため、銃声の聞き違いには注意したい。スピード3かつアサルトライフルとマシンピストルを持っているという点で、ガンファイトにおいても強力なオペレーターとなるだろう。

カジュアルリワーク「ファベーラ」


ブラジル・リオデジャネイロのスラム街をモチーフとした「ファベーラ」。イヤー1シーズン3「OPERATION SKULL RAIN」で追加された古参マップでありながら、マッチ開始と同時に即座に離脱するプレイヤーが現れるほど嫌われたマップでもあった。防衛拠点や外側に通じる壁という壁が破壊可能となっているのが特徴で、ありとあらゆる場所に射線を通すことができた。防衛側の持つ合計10枚の補強壁ではどうしても全体をカバーしきれない構造は、極端に攻撃側が有利な状況が生まれやすいという問題点を抱えていた。

これを「防衛側にとって難しくしすぎていた」とし、解消されることになる。建物の外枠は変わっていないが、内部レイアウトが新マップの如く完全に再設計。派手でスピーディなゲームプレイはそのままに、カオスさを抑えたデザインになっている。配置オブジェクトや色分けよって現在位置がわかりやすく、また攻防ともにたくさんの動きの選択肢を持ったマップに生まれ変わる。

長らくランクマッチのマッププールからは除外されてきたが(今思うと、ここでランクマッチをしていたことが信じられない)、リワークが入ってもクイックマッチにのみプールされることになる。過去に「民家」がリワークされた際と同じ「カジュアルリ ワーク」だが、ランクマッチへの追加について先行プレイをした公式キャスターのふり~だ氏は「可能性を感じる」と述べている。

ゲームバランスの調整

・バンシーソニックディフェンス

バンシーの範囲内に入るとガジェットが開き、銃撃でも破壊できるようになる。Melusiのバンシーは、敵の動きを遅らせながら音によって位置を知らせるという、強力な効果を持つ。さらに防弾仕様であり、爆発物か近接攻撃による破壊が求められた。Y6S2にてガジェットの開閉システムが加わり、ようやく弱体化されることになった。

ブラックミラー・イーヴィルアイ・防弾カメラ

これらのガジェットは、近接攻撃によってガラスをひび割れ状態にすることが可能となる。これにより防衛側はその先を視認できなくなる。ただし、音の聞き分けはガラスが割れても変わらないため、プラントや敵の侵入を察知することはできる。また、イーヴィルアイはガラスが割れることによって視認はできなくなるものの、窓を開ければ視界は通り、レーザーも撃つことができる。特にブラックミラーに対して近接攻撃を仕掛けることは難しいが、これらのガジェットによって攻撃側のアプローチが大きく阻害されてしまうという状況は減るだろう。

また、防弾カメラの仕様変更としてイーヴィルアイのように動かせるようになり、攻撃側のドローンを無効化することができるEMPレーザーを発射できるようになる。防衛側が破壊したドローンの総数を把握できるように表示させるアイデアも公開された。

遠隔ガスグレネード

Smokeが持つ遠隔ガスグレネードは、これまでのように壁や床を貫通することはなく、それらのオブジェクトの形状に沿って広がるようになる。また、ガスの視認性がかなり向上し、Smoke自身がガスで姿を隠すことは難しくなる。「海岸線」ビリヤードルームの爆弾裏設置をカウンター裏から阻止する戦術に代表されるように、多く編み出されてきた壁の貫通を利用した戦術は見直す必要がある。プラントの阻止や侵入に対して防衛側がリスクを持った行動を強いられることになるだろう。

快適性の向上

弾痕ピークの撤廃

弾痕でその先を見通すことができなくなる。プレイヤーの多くは、相手をまったく視認できずに倒れた経験があるだろう。その多くは弾痕ピークと呼ばれる、薄い壁につけた僅かな弾痕から敵を狙い撃つ凶悪な小技によるものだった。1ピクセルの射線が雌雄を決する繊細なタクティカルシューターにおいて、弾痕ピークという極めて一方的な射線は、本作から消えることになった。ショットガンによる工事や、DMRによって壁が砕けるシステムについては、従来のままとなる。

※弾痕ピークを利用したスポーンピーク


死体の非表示化


これまではプレイヤーが倒されたあとの死体が画面に残り続けていたが、死体は数秒で消え、以降は半透明のオペレーターアイコンが表示されるようになる。プレイヤーごとの死体表示の差異によって生じるアンフェアな状況や、スキンによっては倒したオペレーターの判別をしづらい問題を解決する狙いだ。情報がない場所を目視でクリアリングしながら進んでいく場面で、死体を思わず撃ってしまうということもなくなるだろう。

コアゲームプレイ

アーマー効果の明確な数値化

アーマーの効果が、HPとして明確に数値化される。具体的には、アーマー1が100、アーマー2が110、アーマー3が125となる。アーマー値による恩恵がどれほどのものか体感しづらく、アーマー3のオペレーターが、ただ動きの遅いオペレーターにしか感じられない状況を打破する。あわせて、Rookのアーマーパックの装備によってHPが20追加されるようになり、効果が直感的に理解できるようになる。

バレルアタッチメントの調整

武器に装備できる3つのバレルの仕様が以下の通り明確化される。
・コンペンセイター 左右の反動にのみ影響
・フラッシュハイダー 縦の跳ねにのみ影響
・マズルブレーキ 初弾発砲後の中心への戻りが早くなる
これまでは付け替えても効果がわかりにくかったが、より明確に感じ取れるものになる。

倒れたあとのゲームプレイ

倒れたあとのプレイヤーがカメラ系ガジェットを操作できるようになる。これは「NORTH STAR」開幕とともにローンチされる機能ではなく、テストサーバーでのフィードバックを基にライブサーバーへの実装が検討される予定だ。


これまでは、置いてあるドローンやカメラを見るだけだったが、操作までできるようになる。攻撃側は、倒れたオペレーターが自分のドローンや偵察ツールを操作して、索敵を行うことができる。生存/死亡オペレーターのどちらが操作しているのかは、ドローン本体についたアンテナの有無によって区別可能。生前に設置した偵察ツールであれば、アーガスランチャーのレーザーや、妖怪ドローンのソニックバーストといったアビリティを使うことができる。

これらをすべてライブサーバーへ実装するとカオスになることは間違いない。ただ、現在はMozzieが死後に乗っ取ったドローンをまったく活用できない、イーヴィルアイを少しでも良いから動かしたい、といったかゆいところに手が届かない場面が見られるのも事実だ。

先述した防弾カメラの仕様変更のように、「死後のゲームプレイ」にとってドローンは重要なファクターであることは間違いなく、ドローンに対して大きな変革をもたらす目論見が感じられる。また、プレイヤーが死後にもラウンドの勝敗に影響を与えられるように、という意図はあるものの、不用意な死は有効な戦術ではないことを開発陣は強調している。今後はゲームの変革についてバランスを見極めるためにも、テストサーバーが活用されていくようだ。

既報の『バイオハザード』コラボエリートスキン第二弾の情報や、バトルパスの詳細は今回の発表では公開されていない。続報を楽しみにしつつ、まずは現地時間5月25日から稼働となるPCテストサーバーで新環境を確認しよう。