入船審査シミュレーター『Organs Please』発表。「書類を見せて(Papers, Please)」ならぬ「内臓を見せて」で人類を仕分ける


パブリッシャーHeroCraftは5月19日、宇宙船入船審査シミュレーター『Organs Please』を発表した。開発を手がけるのは、ロシア のデベロッパーのTECHHOME。PC(Steam)向けに今年2021年内に発売予定だ。


『Organs Please』の舞台は、崩壊寸前の地球だ。プレイヤーは30日という限られた期間内に、人類を救い出す宇宙船を建造しなければならない。死の運命から逃れるため、宇宙船工場には入船を希望する人々が集まってくる。プレイヤーはそうした希望者ひとりひとりの健康状態や能力を審査し、入船者を選定していく。そして、入船を拒否された人間には、恐ろしい運命が待っているようだ。

本作の特徴は、独特な人材マネージメントシステムだ。プレイヤーは入船希望者の個性を把握し、適材適所に配置して宇宙船工場の運営を進めていく。一生懸命働くものは昇格させたり、良い環境を与えたりすることが可能なようだ。ここまではマネージメント系のゲームではしばしば見かける要素。では、一体どこが独特なのか。このゲームでは、人材を文字通り“材料”としてリサイクルできるのだ。


文明の危機にあたって人権にかまっている暇などない 。トレイラーでは、人体をジャンジャンバリバリと工場機械にかけ、リサイクルする恐ろしい様子がうかがえる。審査基準に満たない人間を処理するのも、プレイヤーの仕事の一環なのだ。審査窓口のレバーを軽く引けば、入船希望者を拒絶しリサイクル送りにする。

希望者も「リサイクル行き」のリスクについては承知の上のようだ。それでも地球脱出に一縷の望みを託し、命をかけた一か八かの審査に臨んでいるということだろう。ダークな世界観に拍車がかかる設定だ。なお、“リサイクル”された人材は缶詰めの食料などにされるそうだ。


また、宇宙船の建造を妨げるテロリストたちも存在するとのこと。そういった敵対者を見分けるのも職務のうちだ。審査中にテロリストだと発覚したら、その場で焼却処分しよう。テロリストの襲撃イベントなども発生し、プレイヤーが対応を迫られる場面もあるようだ。また、優秀な人材をうっかり焼却処分して、警告が発生する場面も見られる。

失敗を重ねすぎると、プレイヤーである審査官の身も危ないようだ。というのも、審査官自身も上層部のために働く身にすぎない。決められた週間のノルマやさまざまな指令をこなしつつ、人材管理と工場の拡充を進めていかなければならない。もしも上層部に「使えない」と判断された場合、缶詰めにされるのはプレイヤー自身かもしれないのだ。


Steamストアページの本作紹介文には「ダークで風刺的なマネジメントシミュレーター」とある。その言葉のとおり、なかなかパンチの効いた内容だ。入船審査のシステムはどこかで見たような印象もあるが、工場の運営要素などもあり、独特の世界観を醸し出している。 ゲーマーからどういった反応を集めるのか、興味深い作品だ。

『Organs Please 』はSteamにて、2021年内に発売予定。