『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』にて、なんと“新たなシナリオライターの起用”が発表。アプデにてテキスト修正・追加へ

マーベラスは4月6日、『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』の今後の更新内容に関しての進捗と報告。新たなシナリオライターを起用することが明言された。

マーベラスは4月6日、『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』の更新データVer.1.0.4を配信した。更新データではかねてよりプレイヤーから不満点として挙げられていたロード時間が短縮されているほか、セーブデータ破損や進行不能となる不具合の修正が行われている。今回の更新データ配信と同時に公開された「プロデューサーレター 第三回」では本作の今後の更新内容に関しての進捗と報告も記載されており、「通常会話テキストの修正・追加」や「各種メーカー仕様の変更」を予定していることが告知された。前者については新たなシナリオライターを起用することが明言されており、通常会話テキストの修正・追加が行われる予定だ。


『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』は、2月25日に発売されたNintendo Switch向けスローライフ牧場経営ゲームだ。プレイヤーは牧場を経営しながら広大な森を開拓し、さまざまな発見や出会いを繰り返しながらスローライフを楽しんでいく。本作は2021年に25周年を迎える『牧場物語』シリーズの完全新作で、シリーズの記念作品としても注目されていた。

しかし発売後は、頻発する長いロードや処理落ちといったゲームパフォーマンスの低さ、素材加工メーカーから排出されるアイテム数のバランスの悪さ、細かな操作性の悪さといったシステム面の問題点が数多く指摘され、3月3日にはプロデューサーである武村大氏が公式サイトに謝罪文を公開する事態となった(関連記事)。また、シナリオに関しても『牧場物語』シリーズが長く積み上げてきたハートフルな世界観にそぐわない表現が多々あることが批判されており、今回の新たなシナリオライター起用に繋がったものと見られる。

本作のシナリオで批判されていたのは、ジャンルとして銘打たれた「ほのぼの生活ゲーム」からイメージされる雰囲気からは外れた、やや毒気のあるイベントの数々だ。例として挙げられるのは「三毛猫を大量繁殖させて、希少価値の高いオスを産ませて儲けよう」といった趣旨の会話イベントや、「カレー味のチーズを作るために牛にカレーを食べさせ続けてみたら?」という趣旨の発言をするNPCとのイベントである。『牧場物語』シリーズではなく、倫理観が欠如した世界観のゲームならばブラックジョークで済むイベントだったかもしれない。しかし、前者はブリーダーによる多頭飼育崩壊、後者は動物虐待といった現実の問題とも直結する内容だ。結果、動物の命を取り扱う牧場を舞台にし、「ほのぼの生活」を打ち出している『牧場物語』にはふさわしくないイベントではないかという批判が殺到した。シナリオライターの新起用については“全恋愛キャラクター”を対象としたテキスト修正・追加と記載されていたものの、対応予定項目の中には「一部住人の通常会話の修正・追加」もあり、これらのイベントについても修正が行われる可能性が高い。


本作のスタッフロールによると、シナリオライターには井上信行氏と、同氏が代表取締役を務めるさよならおやすみ株式会社がクレジットされている。井上氏がシナリオに関わった作品は『ライブ・ア・ライブ』(原始編・近未来編)や『聖剣伝説LEGEND OF MANA』(エスカデ編)、『マジカルバケーション』などが挙げられる。経験も実績もあるライターである。いずれもシナリオとしては少し影のあるものが多く、『牧場物語』のファン層の多くが求めている“ほのぼの”“ハートフル”といった雰囲気とはやや毛色が異なる印象だ。どのセリフを、どのライターが担当しているかは定かではないものの、平和な雰囲気を壊すテキストが不評を買ってしまい、新規ライター起用につながったのかもしれない。

すでにパッケージとして発売されたゲームのシナリオライターを新たに起用し、既存のテキストを差し替えるという異例の対応が発表された『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』。これまで不評を買っていたシステム面の改修も随時進められており、少しずつ遊びやすくなっていくことに期待を寄せたい。『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』はNintendo Switch向けに発売中だ。

Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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