Respawn Entertainmentは4月3日、『Apex Legends』の新シーズンに同社の代表作である『タイタンフォール』シリーズの要素を多数導入すると発表した。
この情報は、Brown Girl Gamer Codeが主催するTwitch上のトークショー「Apex Academy」にて明かされたものだ。同番組のデベロッパーパネルに、『Apex Legends』のシニアライターである Ashley Reed氏やゲームディレクターのChad Grenier氏が出演。Reed氏は両作の関係性について、『タイタンフォール』が戦時中を描いていたのに対し、『Apex Legends』は戦後の生活がどのようなものなのかを描いていると言及した。『タイタンフォール』はそうした『Apex Legends』ユニバースの一部であり、「『Apex Legends』に『タイタンフォール』要素を取り入れていきたい」とのコメントを残している。続いてGrenier氏が「シーズン9では大量の(a ton of)『タイタンフォール』要素を導入するつもりだ」と明かした。
『Apex Legends』は『タイタンフォール 2』の30年後を舞台としたオンラインバトルロイヤルFPSである。同作がシリーズの続編ではないことは、既にRespawn Entertainment によって明かされているが、『タイタンフォール』に登場した武器がそのまま(あるいは名前が変わって)実装されていたり、各レジェンドの設定に『タイタンフォール』シリーズの影響が見られたりと、世界観に関しては関連作品らしく結びつきがかなり強い。 そのほかにも、イースターエッグとして『タイタンフォール2』に登場した人物や組織への言及が含まれることがあった(関連記事)。
Chad Grenier氏の発言を読み解くうえで考えるべき両作の関係性は、共通点より「『Apex Legends』に実装されていない要素」を洗い出すことで見えてくるだろう。 一つ目にして最大の違いは『タイタンフォール』の象徴と言っても過言ではない「タイタン」が存在しないことだ。「タイタン」は全高約7メートルの二足歩行ロボットで、戦闘中にプレイヤーによって要請されることで使用が可能となる兵器だ。 『Apex Legends』の開発段階では、「タイタン」を実装するべくテストを重ねてきたそうだが、ゲームの方向性を大きく変えてしまう要素となることから、その導入は見送られた。
また同様に「二段ジャンプ」や「ウォールラン」といったアクションも、 Respawn Entertainmentが目指す『Apex Legends』のゲームデザインとマッチしないことから導入されることはなく、今後の導入予定も限りなくゼロに近いということは既に明らかになっている(IGN)。
『Apex Legends』と『タイタンフォール』シリーズは世界観を共有しながらも、ゲームとしての方向性は明確に差別化されてきたことが、これまで『Apex Legends』で実装されてきた/実装が見送られてきた 『タイタンフォール』シリーズの要素から判断することができる。このことから Chad Grenier氏が残した「大量の『タイタンフォール』要素を追加する」という発言は、両作の融合に関して良い落としどころを見つけたという自信の現れとも取れなくはない。
また、一連のニュースを受けて、Twitterでは「タイタンフォール3」という単語がトレンドに入る珍事が発生した。多くのファンが『タイタンフォール』シリーズの続報を期待していることもあってか、「新作じゃないのか」という嘆きの声が多く見られた。
ファンが求めているのは『タイタンフォール』の新作かもしれないが、これを機に『タイタンフォール』シリーズに興味を持つ『Apex Legends』プレイヤーが大勢現れ、新たなファンが増えるという展開も、なかなか面白いのではないだろうか。『タイタンフォール 2』はPC(Steam/Origin) /PlayStation 4/Xbox One向けに販売中。オフラインでプレイできるキャンペーンモードも存在するため、『Apex Legends』の世界観を追いたいファンの方は購入を検討してみても良いかもしれない。