“ゲームをイージーモードで遊ぶことへのマウント”に対し、ストリーマーがキレる。ビデオゲームの遊び方に正解はない

ある海外ストリーマーが視聴者に対し「激怒」したところ、その主張が大きな共感を呼んでいるようだ。Roboto氏が怒りをあらわにしたのは、彼女が同作をイージーモードで遊ぶことに対し“マウント”をとってくる視聴者に対してだった。

ある海外ストリーマーが視聴者に対し「激怒」したところ、その主張が大きな共感を呼んでいるようだ。Twitch配信者のAshley Roboto氏は、5万5000人以上のフォロワーを抱える人物。快活な語り口による明るい配信が人気を集めるストリーマーだ。ところがそんな彼女が、配信上にてあることに対し激昂する姿を見せた。それは、先日PC版も発売された『キングダム ハーツIII』配信中の出来事。Roboto氏が怒りをあらわにしたのは、彼女が同作をイージーモードで遊ぶことに対し“マウント”をとってくる視聴者に対してだった。 
 

https://twitter.com/AshleyRoboto/status/1377305655447597056

 
「どうも、みんな。ちょっと私の目を見てください。私が誰に向かって話しているかわかりますよね。どうも……黙れクソども(Shut the f*** up)。ゲームを遊びたいように遊ばせろ」。らしからぬ激しい言葉で語りかけるRoboto氏。彼女が激情を見せた一幕は、『キングダム ハーツIII』の実況プレイ配信中のことであった。Roboto氏は、同作をイージーモードにてプレイ。というのも、『キングダム ハーツIII』はその物語において屈指の複雑さを誇る作品。海外メディアPolygonに語ったところによると、Roboto氏は難解なストーリーを理解することに集中するため、あえて難易度を下げてプレイしていたのだという。 

ところが一部の視聴者からは、Roboto氏が簡単な難易度でプレイすることに対し非難、あるいはからかうようなコメントが投稿されていた。そうした扱いに耐えかねたRoboto氏が、上述の動画のように“マウント視聴者”へ物申したわけだ。「誰もがゲームをプレイして、ずっと腹を立てて苦しんでいたいわけではありません」と動画で述べるRoboto氏。同氏はより高い難易度でもプレイしようとしたが、あまりにもフラストレーションが高く断念したという。「イージーモードは私の救いの恵みでした」とRoboto氏は語る。 

Roboto氏の檄を切り抜いたTwitterは大きな反響を呼び、さまざまなストリーマーから同様の経験について語られている。Polygonの取材に対し、フォロワー3万3000人を抱えるストリーマーNikatine氏も、『Microsoft Flight Simulator』などのシミューレーターを遊んでいる際、新規の視聴者がNikatine氏に対し特定の方法でプレイすることを強要してくるケースが頻発しているという。一方、別のストリーマーであるblizzb3ar氏は、視聴者が配信者に対し指示出し・マウントをとるケースは、ストリーマーが女性である場合に顕著だとも語っている。 
 

https://twitter.com/AshleyRoboto/status/1377636465597947905

*普段のRoboto氏はいたって快活な人物である。


Roboto氏はイージーモードに対する嘲笑の態度は、数年来にわたり議論されてきた問題だと語る。同氏はイージーモードの存在は、個人の楽しみ方としてだけでなく、ゲームをより多くの人に遊んでもらうためのアクセシビリティとしても重要であると語っている。視聴者による配信者への圧力の問題は、『The Elder Scrolls V: Skyrim』を遊び続けるスカイリムおばあちゃんがゲーム実況から身を引いた出来事にも記憶に新しい(関連記事)。 

Roboto氏は意地悪な視聴者からのプレッシャーを跳ね除ける剛毅も見せたが、一方でこの問題はストリーマーの自由な配信活動を制限してしまう一因ともなりえる。「ゲームの遊び方に正解はない」というのは大前提であるが、果たして有象無象の視聴者がどれだけそのモラルを保つことができるだろうか。逆に投稿する配信コメントの自由を訴えるユーザーの意見もSNSには寄せられている。ただ、そのコメントを取り締まるのも、配信者およびモデレーターの自由。最終的にはストリーマーの精神力との戦いにならざるを得ないのかもしれない。 

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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