美少女リズムアクション『Muse Dash』にて奇妙なアップデート配信。倒産宣言もまじえた、フライング気味のエイプリルフール

 

中国のゲーム開発会社PeroPeroGamesは3月30日、『Muse Dash』にてV1.4.2アップデートを配信した。同アップデートでは、新キャラクター「バイト戦士 リン」および楽曲パック「MUSIC快楽天 SP」など、何やら奇妙なコンテンツが追加されているようだ。


『Muse Dash』は、PeroPeroGamesが開発し、X.D. Networkから発売中の美少女リズムアクションゲームである。プレイヤーは、上下2レーンに流れてくる敵やノーツを、リズムにあわせて攻撃。ステージ中に現れるボスとも戦いつつ、各楽曲のクリアを目指す。ポップで可愛い絵柄や表現のほか、2レーンであるためリズムゲームとしては比較的プレイしやすいことも本作の特徴だ。3月30日に実施されたV1.4.2アップデートでは、新キャラクター「バイト戦士 リン」、6楽曲を収録した「MUSIC快楽天 SP」、PeroPeroGamesの最先端アートチームによるタイトルイラスト1枚などの追加が行われた。しかし、今回追加されたコンテンツ群は、普段の『Muse Dash』とは特に毛色の異なる内容となっている。


具体的には、新キャラクターのバイト戦士 リンのイラストに、本作らしいポップで可愛らしい絵柄ではなく、味のある手描きテイストを採用。キャラクターの能力にも、画面を反時計回りに90度回転させることで、ノーツの流れてくる向きを横から縦へ変化させるという『Muse Dash』史上最強を謳うスキルが搭載されており、異彩を放っている。また、最先端アートチームによるタイトルイラストも、インパクトのあるものに仕上げられており、見るものを圧倒する。「MUSIC快楽天 SP」の6楽曲においては、ダンボールに描かれたようなものを含め、イラストもそれぞれ工夫が凝らされているが、それ以上に「MuseDashを作っているPeroPeroGamesさんが倒産しちゃったよ~」なる奇怪な楽曲タイトルが目を惹く。『Muse Dash』に何が起こっているのだろうか。


PeroPeroGamesの公開している動画によると、同社はこれまでDLC「計画通り」に大量のコンテンツを追加してきたが、定価は安く、新規プレイヤーはあまり増えなかったという。そのため、同社は現在赤字になっており、近日中に裁判所へ破産保護申請を提出予定。また、バイト戦士 リンについては、デザイナーが全員辞め、声優を起用する資金もなかったため、従来の基準とは異なるキャラクターになっているそうだ。なお、動画内で表示されている日付は2021年4月1日である。

では本作は不人気なのかというと、まったくそんなことはない。2020年12月頃に「TikTok」を中心に流行した動画「Zero Two Dance」(アニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」のメインキャラクターであるゼロツーが踊る、ファンメイドの動画)内に、『Muse Dash』のマリヤが登場。その影響もあってか、『Muse Dash』は2021年2月の大型アップデート直後に、Steamで過去最大となる6000人以上の同時接続者数を記録しており、少なくともプレイヤー数は伸びているものと思われる。4月1日を強調していることを考えても、今回の奇妙なアップデートは、フライング気味のささやかな嘘なのだろう。


『Muse Dash』は、Nintendo Switch/PC(Steam)/iOS/Android向けに配信中。Steamでは4月12日までの期間セールが行われており、本体が70%オフにより108円、DLCが20%オフにより2448円で購入可能。iOS/Android版も、期間は不明であるものの同様のセールが実施されている。