MSX2用RPG『10 Lines Hero』無料公開。わずか10行のコードで書かれた、最新のレトロゲーム

国内の個人開発者ほのっぺ氏は3月27日、『10 Lines Hero』をMSX2向けに公開した。『10 Lines Hero』は、わずか10行のBASICプログラムで作られた、ダンジョンを探索するRPGだ。

国内の個人開発者ほのっぺ氏は3月27日、『10 Lines Hero』をMSX2向けに公開した。ブラウザ上でMSXが動作するエミュレーター「WebMSX」経由でプレイできるURLが公開されており、PCブラウザなどからプレイできる。
 

 
『10 Lines Hero』は、わずか10行のBASICプログラムで作られた、ダンジョンを探索するRPGだ。ある国の姫が、モンスターにさらわれてしまった。主人公は、剣と盾を手にダンジョンを訪れ、姫が囚われている部屋を目指してモンスターたちと戦いを繰り広げていく。

ダンジョン内では、主人公がモンスターとぶつかることで、戦闘が行われる。モンスターには、向きによって強さが異なるシステムが搭載されている。たとえば、ヘビ風のモンスターKuneikuが相手の場合は、頭の向いている右側から攻撃すると、ほかの方向から攻撃した場合に比べて与ダメージが小さく、被ダメージが大きくなってしまう。モンスターごとの得意/不得意な向きを把握して、モンスター討伐によって得られる経験値で主人公をレベルアップさせながら、複数のマップで構成されたダンジョンを探索。カギや回復草といったアイテムも使いつつ、ダンジョン内に囚われた姫を助け出すことが本作の目的となる。公称プレイ時間は30分から60分程度。WebMSXではALT+TでCPUのクロックを変更すると、ゲームが素早く動作するようになる。
 

 
本作は、1985年に登場したPCの規格であるMSX2用に作られており、2021年の作品でありながら、レトロゲームそのもののゲームプレイやグラフィックが実現されている。しかし、それ以上に目を惹く事実として、本作はわずか10行のBASICプログラムで構成されているという。プログラムの中身はスクリーンショットで公開されており、筆者には何が書いてあるのかはわからないものの、少なくともコードは10行以内に収まっている。ほのっぺ氏のツイートによると、いわゆるマシン語は使われておらず、すべてBASICで書かれているそうだ。

また、本作は10行で書かれたゲームのコンテスト「BASIC 10Liner」の参加作品の一つでもある。昨年開催された前回のBASIC 10Linerには、Apple II/Commodore 64/Atari 800 XL向けなど、174作品以上の10行のBASICプログラムで書かれたゲームが参加。公開されているゲームリストを見る限り、『10 Lines Hero』を含めて今年も最新のレトロゲームが多数応募されているようだ。
 

 
『10 Lines Hero』は、開発者のほのっぺ氏によるツイート内で、無料公開されている。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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