『Apex Legends』バンガロールとコースティックは、やはりサイレント弱体化されていた。アビリティの存在意義危うし


Nintendo Switch版の配信開始とともにコレクションイベント「カオスセオリー」が開幕した『Apex Legends』。期間限定モード「Ring Fury」登場や「仲間を補充」機能によるソロ出撃実装など、多くの要素が追加されている。その中でも、やはり注目を集めているのがレジェンドにまつわる修正だ。 

目立つものとしてはパスファインダーのパッシブ:小柄が削除され、打たれ弱さとの決別が果たされた。ほか、使い心地の渋さが指摘されていたワットソンにはシールド自動回復のパッシブアビリティが付与。リリース時から上方修正が続くランパートは増幅バリケードの対グレネード弱点が払拭される恩恵を受けている。一方、強化されるレジェンドがいれば弱体化されるレジェンドも。勝率トップワン・ツーを占めるホライゾンとジブラルタルは、それぞれアビリティがナーフを受けた。さらに今年頭より注目を集めるコースティックはガスダメージが大幅に削減され、議論を呼ぶこととなった(関連記事)。 
 

 
以上の変更点は、いずれもパッチノートに明記された強化/弱体化内容だ。一方、公式にはアナウンスがないながらも修正が施された要素もいくつか報告されている。実はただでさえ弱体化措置を受けているコースティックに、もうひとつ明かされていないナーフが施されていたようだ。その内容とは、「ガスの透明度向上」。博士が繰り出すNOXガスといえば、相手へのダメージや移動能力低下・スプリント不可といったデバフのほか、重要な役割がある。それが相手の視界の撹乱だ。 

最初期の性能としては、敵・味方ともども視界を完全に奪う諸刃の剣的な側面のあったNOXガス。その視界不良効果はシーズン7より大幅に軽減され、どちらかといえばダメージに特化したアビリティとなっていた。その時点でコースティック使いからは賛否両論あったものの、代償として与ダメージ向上などの恩恵が付与。また、かろうじて視界が「やや見えにくくなる」程度の効果を見込むことはできていた。ところが最新アップデート後は、NOXガス内における可視性が大幅にあがった。ガスが発動している中でも、ある程度遠くまで敵が見えるようになっている。コースティック使いからすれば事実上の弱体化である。 

しかも、同様の処遇を受けているのはコースティックだけではない。実は同じく視界妨害能力を有するレジェンド、バンガロールもサイレント修正を受けているという。バンガロールの戦術アビリティといえば、煙幕弾を発射し相手の視界を奪う「スモークランチャー」。NOXガスと異なり与ダメージはほとんどない代わりに、敵・味方とも視界をほとんど遮断する完全な妨害特化のアビリティだ。ところが最新パッチにおいて、バンガロールのスモーク内でもかなり視認性が向上していることが確認されている。離れた場所からでも煙幕を通してターゲットの位置を視認することが可能なのだ。 
 

 
これらの現象は、多くのユーザーからバグとして捉えられていた。しかし運営スタッフのTwitterでの発言を遡ってみると、本修正が仕様であることが確認できる。Electronic Artsにてリードプロダクトマネージャーを務めるEric Hewitt氏によれば、コースティックのガス・バンガロールのスモーク双方において、パーティクル(粒子)の量が減少させられているという。これはすなわち煙の密度が低くなっているということ。ガス・煙幕内部での可視性が向上しているのは意図的な修正だったというわけだ。ちなみに同様の透明度向上は、ジブラルタルのアルティメットアビリティ「防衛爆撃」にも適用されているという。 
 

 
コースティックはもとより数々の弱体化を受けていることから、ある意味合点がいく調整ではある。一方、従来ほとんど強化/弱体化が施されてこなかったバンガロールに下方修正が入ったのは意外な一手といえるだろう。ダメージ特化のコースティックに対し、視界妨害を主目的とするバンガロールのとしては根幹が揺らぐ手痛い変更でもある。現在のところ、本変更の由来する調整意図に関する情報は明かされていない。