『Phasmophobia』ゴーストがプレイヤーの声を追う機能が正式実装。声を頼りにクローゼットやロッカーも開ける

『Phasmophobia』ゴーストがプレイヤーの声を追う機能が正式実装。声を頼りにクローゼットやロッカーも開ける。温度計やパラボリックマイクのバランス調整も。

Kinetic Gamesは3月7日、『Phasmophobia』にてゲームプレイ体験を向上させるためのアップデートを施したことを発表した。内容は多岐にわたる。大きな変更として、テストビルドにのみ実装されていたプレイヤーの“実際の声”を頼りに霊が探しに来る機能と、霊がクローゼットを開ける挙動の追加。そしてそれを妨害するため、プレイヤーがドアやクローゼットを手で押さえる効果の追加が挙げられる。よりプレイ体験が向上するアップデートとなっているようだ。


『Phasmophobia』は最大4人のCo-opプレイおよびVRモードに対応しているホラーゲームである。対応プラットフォームはPC(Steam)のみ。価格は1420円。発売当初は無名の個人開発タイトルながら、昨年9月の早期アクセス配信開始以降、徐々に人気を高めていった。本作ではプレイヤーは超常現象の調査員となり、呪われた物件を調査する。そして証拠を集めていくことで、憑りついている霊的存在の正体を探ることが目標だ。しかし物件での調査に霊はもちろん協力的ではない。調査員が長く滞在すればするほど、霊は本性とも言える攻撃性を露わにしていくのだ。

プレイヤーの実際の声(マイク音)を頼りに霊が索敵する仕様は、すでにベータビルドで実装されていた(関連記事)。開発者は定期的にベータビルドへのアップデートを行い機能をブラッシュアップ。晴れて今回正式実装へ漕ぎつけたという形だ。今後ハンティングモード中に見つかりたくなけれは、ゲーム内で操作する調査員同様にプレイヤーも声を殺し息をひそめる必要があるだろう。場合によっては、味方の調査員が見つかりそうになっているとき、わざと声を発して霊をおびき寄せるといった勇敢な行動も効果的かもしれない。

また本アップデートにより霊がクローゼットとロッカー、そしてドアを開ける挙動が実装。しかしクローゼットとロッカーには条件があり、中から何かしらの音やプレイヤーの声が霊に聞こえた場合や霊に見つかった状態で中に隠れた場合に限るという。くわえてクローゼットもしくはロッカーのドアを内側から押さえ続けることによって、霊が開けることを阻止することもできるようだ。クローゼット・ロッカーはある種の安置と化しているが、本作は難易度が高い広いマップになればなるほど、駆け込めるクローゼットの数は減少する。この点でうまくバランスを取っているのだろう。

クローゼット・ロッカーと同様に、ドアも押さえ続けることによって霊が開けることを阻止できるそうだ。しかしハンティングモード中の霊はドアをすり抜けてくるため、あまり使いどころはないだろう。


そのほかのゲームプレイに関する大きな変更点として、難易度「プロ」にて霊が調査員が複数いても超常現象を起こすタイプか、一人の時だけのタイプかのヒントが表示されなくなる。またミッション開始時にブレーカーが必ずオフの状態から始まるようになったようだ。明かりがないからといって物件に入るや否やハントされるようなことはないだろうが、難易度「プロ」がさらにプロフェッショナル向けの難しさになったと言えるだろう。

そのほか細かい変更点として以下のものが挙げられる。

・霊の正体を突き止める証拠の一つであるゴーストオーブの動きが改善。より長く部屋の中に留まり、見やすくなる
・一人の調査員をしつこく狙うバンシーだが、標的の調査員が物件の外にいる場合は他のゴースト同様に近くの調査員を狙うようになる
・ハンティングモード中、懐中電灯が点滅するのと同様に、EMFリーダーがランダムな値を表示するようになる

ガジェットにも仕様の変更やバランス調整が入ったようだ。霊の位置を探し出すのに便利過ぎた温度計は本アップデートで遂に弱体化されることに。

■温度計/温度の仕様変更
・温度計の更新レートが1秒から2秒に変更
・表示される温度の変化幅が少し増加
・すべての部屋で瞬時に切り替わっていた温度測定が、ゆっくりと時間をかけて変化するように仕様変更
・ブレーカーの電源を切っている場合、温度はゆっくりと5℃まで減少する
・ブレーカーの電源が入っている場合、ゴーストがいない部屋ではゆっくりと温度が上昇する
・難易度「プロ」ではブレーカーがオフの状態から始まる関係上、室内温度は5℃からスタートする
・“氷点下の気温”の特徴を持つ霊がいる場合も、瞬時に温度が氷点下まで下がることはなく、他の霊と同様にゆっくりと温度が下がるように変更

要約すると、今後は部屋の温度を正確に計測するためには時間がかかるようになる、ということだ。特に“氷点下の気温”の証拠を調べるためには、霊がいるかもしれない部屋でじっくりと待つ時間が必要になる。

温度計と打って変わって、ほとんど使われていなかったパラボリックマイクにも以下のように調整が加わっている。

■パラボリックマイク
・効果範囲を8mから30mに拡大、横幅も2mから6mへ拡大
・視界を必要以上に妨げないよう、パラボリックマイクのモデルを縮小
・音を検出できる時間を2秒から3秒に変更

霊がいる位置を大まかに知るためのガジェットという設計だったようだが、従来の能力ではその真価を発揮できていなかったようだ。今後は最初に物件に押し入るときの頼もしいガジェットとして活躍してくれるだろう。

そのほかのアップデート内容は、パッチノートより確認可能。今回施したアップデートによりゲーム体験の向上や安定化についてはひと段落した、とKinetic Gamesは語る。今後は新しいコンテンツの追加に向けて、開発が進められるようだ。続報を楽しみにして待ちたい。

Tadashi Harao
Tadashi Harao

対人ゲームが好きです。初めて遊んだ対人ゲームはMGO、熱中のあまり息切れ起こしながら遊んでました。

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