巨大な警察官から逃れるゲーム『Militsioner』ゲームプレイ映像公開。音声認識で巨人と会話する奇妙な体験

 

インディースタジオTallBoysは2月12日、シュルレアリスム・アドベンチャー『Militsioner』のゲームプレイ映像を新たに公開した。対応プラットフォームはPC(Steam)。リリース時期は今のところ明かされていない。
 

 
『Militsioner』は一人称視点のアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは“大いなる敵”の監視をかいくぐって奇妙な街からの脱出を目指すことになる。大いなる敵とは、すなわち文字どおり「巨人」。主人公が囚われた街には、なぜか身の丈数十メートルはあろうかという巨大な警察官が棲みついている。犯した覚えのない罪で牢獄送りが言い渡されたプレイヤーは、上空からの目線に見張られつつ、街を探索して脱出の糸口をつかまなくてはならないのだ。

道を拓くためには身を隠すだけでなく、あえて警察官の注意を引くことが必要な場面も。本作は音声認識機能を搭載しており、プレイヤーは声を発することで警官と会話することができる。とはいえ主人公は通常サイズの人間なので、巨人に呼びかけるときはそれなりの音量で叫ばなくてはならない。その場合、巨人だけでなく周囲の人々の関心も引きつけることになる。

プレイヤーが迷いこむ街は、郊外の閑かな住宅地だ。ひっそりしてはいるものの住民が暮らしており、商店を開いている者もいる。しかし住人たちは、みな一様にプレイヤーに対して敵愾心をあらわにしてくる。それというのも、誰かがあなたの罪を讒言したから。何にせよあまり長く住民とやり合っていてもいいことはない。
 

 
巨大な警察官には感情および、明確なモラルの基準が設定されている。プレイヤーが何か犯罪的な行為をすると、法の執行官として大きな手を伸ばしてくるのだ。たとえばゲームプレイ映像の2分ごろには、ある障害物を乗り越えるために民家のハシゴを盗むことになる。すると警察官は黙っていない。警笛を鳴らしてこちらに向き直ると、おもむろに主人公をつまんではるか上空まで持ち上げてしまう。巨大な顔面に睨みつけられるシーンはなかなかシュールな恐怖感に満ちている。この場合は法に触れない手段を探すか、なんとか警察官の目を逃れる必要があるだろう。

街のどこでも見渡せる相手の監視をくぐり抜けるのは至難のわざに思えるが、プレイ映像にはそのヒントらしきシーンも。2分39秒ごろのカットでは街に夜が訪れ、警察官は懐中電灯で街のあちこちを照らして覗き込んでいる。夜の闇に紛れれば、相手に気づかれないうちに突破ルートを切りひらける……かもしれない。街からの脱出経路は複数用意されているため、さまざまな方法を試してみよう。もちろんストーリーも、プレイヤーの動向によりノンリニアに展開していく。

開発を手がけるTallBoysは、ロシアに拠点をおくインディーゲーム開発スタジオだ。代表作には2019年にリリースした対人非対称マルチ『Pandemic Express – Zombie Escape』がある(関連記事)。こちらは生存者と感染者に分かれて追いかけっこを繰り広げるマルチプレイゲームで、対戦の火花の背後には奇妙な世界観を支えるアートワークも存在していた。『Militsioner』は打って変わってシングルプレイゲームとなり、シュルレアリスティックな作風を前面に押し出した作品となるようだ。
 

 
『Militsioner』はPC向けにSteamにて配信予定。リリース時期は今のところ明かされていない。