任天堂、『白猫プロジェクト』をめぐるコロプラに対する損害賠償請求金を5億5000万円増額。提訴後の時間経過による増額
コロプラは2月12日、IR情報ページに「当社に対する損害賠償請求訴訟の提訴額変更に関するお知らせ」と題した告知を掲載。任天堂より請求されている損害賠償請求金額が、既存の44億円から49億5000万円に増額されたと発表した。提訴されてからの時間経過により、新たに5億5000万円請求されたかたち。
任天堂は2018年1月10日、コロプラを相手に特許権侵害に関する訴訟を起こしていた。「特許権侵害に基づく損害賠償請求」と、「特許権侵害に基づくアプリ『白猫プロジェクト』の生産、使用、電気通信回線を通じた提供等の差止」請求。具体的には、『白猫プロジェクト』の差し止めと44億円の損害賠償、遅延損害金を求めていた。
『白猫プロジェクト』においては、ぷにコンと呼ばれるバーチャルパッドが実装されており、このバーチャルパッドを使ってゲームを進行させる。画面をタップすることで通常攻撃を繰り出すことができ、連続してタップすることでコンボが発動する。また、SPを消費することでアクションスキルが発動可能。アクションスキルは画面を長押しつつ、指定方向にフリップし、指を離すことで発動する。こうした操作などが特許侵害に該当すると、任天堂は主張している 。
コロプラと任天堂の裁判はすでに3年以上続いており、口頭弁論や弁論準備手続が重ねられてきた。コロプラは裁判の傍らで、昨年2月に『白猫プロジェクト』の操作の変更を決断。任天堂の指摘箇所に関連すると思われる「指を離すと発動」系のスキルが全面的に廃止されていた(関連記事)。 Legal Search は2020年3月時点の状況について「特許権侵害による損害賠償請求という点に限れば、今回の仕様変更は、コロプラ社による全面降伏ということができます」とコメントしていた。
一方でコロプラ側は、2021年2月時点でも「特許侵害は一切ないものであると確信」しており、裁判の決着はいまだついていない。いずれにせよ、もともと予告されていた損害賠償請求金額は、上乗せされることとなった。コロプラはNintendo Switch向けに『白猫プロジェクト』を開発しているが、2019年12月に同作の発売が無期延期されたことが明かされるなど、やはり両社の間には隔絶があるように見える。任天堂とコロプラの係争は、どのような結末を迎えるのだろうか。