優しい夜の街を探索するADV『愛しのフランケンシュタイン』有償版がPC向けに配信開始。人造人間の少年は、砕け散った心のかけらを取り戻す

個人開発者の六夏氏は2月7日、『愛しのフランケンシュタイン』コンプリートエディションをBOOTHにて頒布開始した。後日、Steamでの配信も予定されているという。

個人開発者の六夏氏は2月7日、『愛しのフランケンシュタイン』コンプリートエディションをBOOTHにて頒布開始した。対応プラットフォームはPCで、価格は500円。後日、Steamでの配信も予定されているという。

『愛しのフランケンシュタイン』は六夏氏が開発し、2020年8月にフリーゲームとして公開された探索アドベンチャーゲームだ。本作の舞台は、自動人形や錬金術が存在する少し不思議な世界。西の島国にある小さな街シプベリー市では、銀の指先クラブなる秘密結社の存在が囁かれる中、ある屋敷で錬金術と科学を組み合わせた実験が行われていた。

本作の主人公は、そんな実験によって目覚めたばかりの人造人間の少年アダム。バーンズ屋敷の主人ミゲルによって作り出された彼は、ミゲルや骸骨の博士の言いつけどおりベッドで眠りに就こうとしていた。そんな彼の前にゴーストが登場。「君の心は、砕けてばらばらになってしまっている」というゴーストの言葉に従い、月と街灯で照らされた夜の街へと出かけ、継ぎ接ぎの少年は毎晩少しずつ心を取り戻していく。実験の目的。優しい世界と暗い過去。頭に浮かぶ、誰かの記憶。お伽噺のような夜の街を巡るうち、闇夜に隠されたアダムの秘密が解き明かされる。


アダムとゴーストが出かける夜の街には砕け散った心のかけらが隠されおり、それらの収集が目的の一つとなる。具体的には、街の各所にいる優しい住人たちと交流を重ね、彼らの抱えた問題や、情報を整理するタイプのちょっとしたパズルを解決。心のかけらを入手すると、次の章へと進めるわけだ。システム面では、いわゆるポイントアンドクリック型の仕組みが採用されており、進行に関わる人物などの一部には、わかりやすいようにマークが表示されている。

また、月に照らされた明るい夜の街やバーンズ屋敷の中など、作品全体が美麗な手書きのグラフィックで構成されている。クラシックの旋律がBGMとして流れる中、醜くも純粋な少年アダムのどこか悲しげな世界は全体に統一感があり、世界観に浸れる内容となっていた。


今回頒布開始されたコンプリートエディションは、フリー版に新要素を追加したもの。OP動画、新たな謎解き、新ステージ、アフターエピソードが、フリー版の内容に追加されており、一部便利な機能も追加されているそうだ。なお、寄り道要素を含む公称プレイ時間は、フリー版が5時間30分程度、コンプリートエディションは7時間程度とされている。

愛しのフランケンシュタイン』コンプリートエディションは、PC向けにBOOTHにて500円で頒布中。フリー版が継続して公開されているほか、六夏氏の過去作『夢もすがら花嵐』など3作もフリーゲームとして公開されている。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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